今月末に決算棚卸を予定している薬局は多いことと思います。
私の薬局でも3月が決算期のため、毎年9月と3月に薬局の実地棚卸を実施しています。
1~3月は季節性の疾患が増え、特に抗アレルギー薬など比較的高薬価な薬剤が処方されるため、金額ベースでは1年で最も在庫金額が膨らむ時期です。
以前の記事でも述べましたが、欠品を避けて売上げを作りつつ健全な在庫とするには、在庫日数が「30日(1ヶ月分)」を下回っていれば概ね及第点となります。
決算期はなるべく在庫を搾るに越したことはないのですが、「在庫削減ゲーム」にならないように適正在庫を維持することも管理薬剤師の責務でしょう。
今年(2019年)の3月は薬価改定もなく、いつもの月末より少々在庫を搾る程度のつもりでいたところ、先日会社から一方的に目標を突き付けられました。
「昨年3月末が在庫日数約14日だったので、今年も同程度で。」という話でした。
「え、薬価改定もないのに何言ってるの?」が私の第一声でした。
会社の担当者は数字しか見ていません。その数字が何を意味して、現場のどういう状態を表しているのか?その数字に持っていくためにどれだけの労力を要するのか?残念ながら全く理解できていません。
「じゃあ、あなたの店は独自目標で結構です。」なんだよ、それ。
その程度なら初めから偉そうに数字を投げてこないでください。というやり取りの末、いつも通り欠品を避けつつ無理のない範囲での在庫削減をすることに。
(おそらく最終的には20日を切るくらいになるでしょう)
みなさんの薬局でも、無茶な在庫削減目標を掲げて「在庫削減ゲーム」にならないようにしてください。
そこまで在庫を減らすことが何の得になるのかを、よく理解した上で行動したいものです。
ちなみに、私の薬局では3月26日(火)の午後に実地棚卸を予定していますが、棚卸を末日以外に実施する薬局でも在庫削減の期日は「月末」となります。
つまり、棚卸が終わったからと言って翌日に大量に発注したりすると、最終的に月末在庫が増えてしまうことになります。
棚卸が終わっても月末までは削減した在庫をキープしましょう。
※厳密には、卸からの請求日が切り替わるタイミングの在庫金額がminimumになるようにすればいいのですが、売上の締日とも合わなかったり色々と期間を合わせるのが難しくなるので、締日は全て月末で統一するのが一般的です。