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《24年4月最新版シュミレーション》選定療養対象の長期収載品リストが公開されました!

 

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24年4月19日の夜に厚労省の診療報酬改定についてのサイトに、専用のページが追加されました。後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

これまで気になっていた、選定療養費の対象となる長期収載品(いわゆる先発品など)がリストとして掲載されました。

https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001247591.pdf

https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001247592.xlsx

 

当ブログではこれまで、選定療養費をシュミレーションする記事をアップしてきましたが、対象が明確になったので、この厚労省のリストをベースにシュミレーション用のExcelファイルをアップグレードしました。

※このリストの中で901行目の『パーヒューザミン注』の薬価と後発品薬価が10倍の値で掲載されていたので、この行だけ当ブログで修正しています。

 

選定療養費の徴収方法について

SNSなどでは、選定療養費の徴収方法(金額の計算方法)についてよく知られていないようです。

前述の厚労省サイトに掲載されている通知、『「「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」及び「保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等」の実施上の留意事項について」の一部改正について(保医発0327第10号)https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/15-3.pdfにおいて下記のように規定されました。

第3 30(8)

特別の料金については、医療上の必要性等の場合は長期収載品の薬価で保険給付されることや、市場実勢価格等を踏まえて長期収載品の薬価が定められていることを踏まえ、長期収載品と後発医薬品の価格差の一定割合とすること。また、後発医薬品の使用促進を進めていく観点からも、当該一定割合分を徴収しなければならないとすること。 
具体的には、当該長期収載品の薬価から、当該長期収載品の後発医薬品の薬価を控除して得た価格に4分の1を乗じて得た価格を用いて算定告示の例により算定した点数に 10 円を乗じて得た額とすることここでいう当該長期収載品の後発医薬品の薬価とは、該当する後発医薬品のうち最も薬価が高いものの薬価をいうこと。 
なお、「選定療養」に係る費用として徴収する特別の料金は消費税の課税対象であるところ、前述で算定方法を示している長期収載品の特別の料金の額に消費税分は含まれておらず、前述の額に消費税分を加えて徴収する必要があること。 

つまり、先発-後発の薬価差の1/4の価格を算定告示の例により(=いわゆる五捨五超入で薬剤料点数と同様に)点数を算定し、1点10円とする。更に消費税10%を徴収するということになります。

具体例をあげると

医薬品名 薬価 後発品最大薬価 薬価差 保険適用分3/4 選定療養分1/4
バルトレックス錠500 500mg 170.2 164.7 5.5 4.125 1.375

バルトレックス錠では1錠当たりの選定療養部分の価格は「1.375円」となります。

1日2錠では「2.75円」、6錠では「8.25円」です。

選定療養費を計算するには、これらの金額に単純に処方日数をかけるのではなく、まずこれらの金額を通常の薬剤料と同様に点数計算することになります。

つまり「1.375円」「2.75円」「8.25円」⇒「1点」となります。

そして、例えば7日分の処方であれば、1点x7日分として70円、消費税が7円となり、「77円」を患者から徴収することになります。

僅かでも後発医薬品との薬価差がある長期収載品は、最低でも1日分1点=税込みで11円の負担が生じるということになります。

また『剤』の組み合わせ次第では、薬局の薬剤料収入がこれまでより1日分10円増減する可能性があります。

安価な長期収載品を多く取り扱う精神科門前薬局などは地味に影響を受けるかもしれませんね。

処方箋単位シュミレーションを追加!

シュミレーションシートの話に戻ります。

今回のアップグレードでは、単剤用のシュミレーションと、処方箋単位のシュミレーションの2シートとしました。

『単剤用』では、医薬品を1種のみ選択し、内服薬の場合は1日用量を入力すれば、0~3割の負担割合に応じて、薬剤料の一部負担金がどうなるかを一覧で確認できます。

『処方箋単位』では患者さんの処方箋をイメージして、用法の代わりに<剤区分>を入力し、1日用量、処方日数、患者負担割合を入力して、処方箋単位で患者負担金額がどうなるのかを試算できるようにしました。

また、どちらのシートも印刷用のページ設定もしましたので、多くのプリンターでクイック印刷から1枚に印刷できるようになってます。

処方箋単位のシュミレーションシートの利用方法

上図のように、左側の枠に内服薬、右側の枠に内服薬以外を入力します。

  1. レセコンへの入力と同様で、レセコンで「用法」を登録する代わりにここでは「Rp.No」を選択します(10剤まで選択できます)。
  2. 対象となる長期収載品を選択します。
  3. 内服薬の場合は1日用量、それ以外なら処方全量を入力
  4. 内服薬の場合は処方日数を入力(または選択)
  5. 患者負担割合を選択

これで、下部の薬剤料負担金欄にシュミレーション結果が表示されます。

別のシュミレーションをする場合は、左右の枠内を選択しDeleteで内容を消去してからやり直します。

このシュミレーションシートがあれば、印刷して、投薬時に「10月以降は負担金が〇〇円増えますが、ジェネリックを希望されますか?」と予め伝えることができます!

なんて便利なんでしょう!(自賛)

 

利用してみたい方はこちらのページからどうぞ↓↓↓↓↓↓↓