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【ダウンロード】2022年4月薬価引下げ率リスト

2022年度診療報酬改定に伴う薬価改定について、診療報酬情報提供サービスに掲載されたデータを基に薬価引下げ率リストを作成しました。

今回のソースは、以下の通りです。

  • レセ電コード・医薬品名・薬価情報(診療報酬情報提供サービス)
  • YJコード情報(Medis-DC:医薬品HOTコードマスター)
  • 後発品情報&代替可能な基礎的医薬品情報(厚労省:薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について(令和4年4月1日以降))

 

今年は、昨年同様後発医薬品に係る情報と、新たに基礎的医薬品(先発品でも後発品でもない医薬品)のうち後発品同様に変更調剤が可能なものの情報を加えました。

後発品情報
0(空欄):基礎的医薬品
1:後発品のない先発品
2:後発品のある先発品
3:後発品
☆:後発品より薬価が同額以下の先発品
★:先発品より薬価が同額以上の後発品

【後発医薬品と同様に変更調剤が認められる基礎的医薬品等の一覧について】
基礎的医薬品であって、それらが基礎的医薬品に指定される以前に変更調剤が認められていたもの(「診療報酬における加算等の算定対象となる後発医薬品」等)については、従来と同様に変更調剤を行うことができます。

フィルタで絞り込んで並べ替えをしたり、いろいろ加工して利用してください。

※利活用の方法について、「こんなふうにしたいけれど、どう処理すればいいか分からない…」という場合はコメントをお寄せください。

 

 

2022年4月薬価引下げ率リスト.xlsx

 

※Microsoft の onedrive を利用しています。ブラウザでExcel様式のファイルが開きますので、ツールバーにある「ダウンロード」ボタンでお使いのPCにダウンロードしてください。(Windowsの場合ダウンロードフォルダに保存されていると思います)

ダウンロードしたファイルは「編集を有効」にすれば加工ができます。

 

みなさんの薬局で採用している採用品リストから

  • A列:医薬品コード(レセプト電算コード・9桁数字)
  • B列:YJコード(個別医薬品コード・12桁英数字)
  • C列:薬価基準コード(厚労省コード・12桁英数字)

のいずれかを「自店リスト」シートに貼り付ければ「20220401」シートの各列に色が付きます(条件付き書式設定をしています)。

A~C列の▼マークで「セルの色で並べ替え」又は「色フィルター」を選択すれば、あなたの薬局の採用品のみの薬価改定リストができあがります。

 

処方箋の交付日に誤りがある場合の取り扱いについて

久しぶりに記事を書いています。

 

日経DIで次のようなコラムを見て、なんかすっきりしないのでまとめてみようと思います。

medical.nikkeibp.co.jp

 

要約すると、

期限切れの(正確には使用期間を過ぎた)処方箋は紙切れと言われ、期限切れ処方箋に対しての「疑義照会」はできないし、ましてや処方箋使用期間の延長はできないので、医療機関で再交付してもらうしかない。

しかし、交付年月日の記載に誤りがある場合もあったりするので、杓子定規的なルール運用をするだけではなく、あくまで患者に寄り添った対応をしたいものです。

といったところでしょうか。

 

この問題の本質は、杓子定規的なルール運用の是非ではなく、

処方箋交付日の記載誤りによって使用期間を超過した処方箋の取り扱いについて

ということではないでしょうか。

 

この処方箋の「本当の」交付日はいつなのか、が重要なはずです。

つまり処方箋の交付年月日欄には「令和3年2月6日」と記されていても、医療機関が実際に患者さんに交付した日が「令和3年9月16日」だったとすると、この処方箋の交付日は「令和3年9月16日」だということです。

 

このようなケースは数年に1回くらいありますよね。

 

薬剤師がすべきことは、
処方箋交付日の記載誤りが考えられると思ったら、

  1. 医療機関に連絡し、当該処方箋について交付年月日を確認する
  2. 確認できた交付日に基づいて通常通り調剤を行う
  3. 処方箋・調剤録・薬歴に交付日の誤りを確認したことを記録する

ということではないでしょうか。

交付日を確認できたけど、既に4日を過ぎている場合もあるかもしれません。その場合は残念ながら期限切れ処方箋としての扱いをせざるを得ないですよね。

 

日経DIの記事では、結局どのように処理をするのが正解なのかも書かれていなかったので、この記事が参考になるとうれしいです。

2021年4月新薬価告示!在庫絞るべきリスト

2021年4月からの新薬価が3月5日に告示され、同日夜に診療報酬情報提供サービスのサイトに掲載されました。

 

薬価基準に係る医薬品の一覧はこのサイトから入手するのがベストだと思います。くわしくはこちら 

pharmalabo.hatenablog.com

 

今後は毎年薬価改定となりますので、薬価改定対応とか対策は「いつも通り」に対応できるようにしておく必要がありますね。

3月末に棚卸を控えている薬局が多いと思いますが、どの品目を絞るべきなのか、また、買い溜めしておくとよさそうな品目はどれか、などを検討するスケジュールをあらかじめ策定しておくといいでしょう。

 

それでは2021年薬価改定の中身を見ていきましょう。。

薬価引下げ率影響上位品目

今回の改定で25%以上の引下げとなったのが、349品目あります。

更に単位薬価(旧薬価)が100円以上で絞り込むと、63品目になります。

引下げ率の降順だと次のようになります。

医薬品名 新薬価 旧薬価 薬価収載CD 薬価引下げ率
ドネペジル塩酸塩錠5mg「TSU」 71.8 128.6 1190012F2103 44.17%
オランザピン細粒1%「サワイ」 57.5 102.4 1179044C1014 43.85%
オランザピン細粒1%「日医工」 57.5 102.4 1179044C1014 43.85%
メマンチン塩酸塩錠20mg「KN」 92 163.6 1190018F3018 43.77%
メマンチン塩酸塩錠20mg「アメル」 92 163.6 1190018F3018 43.77%
メマンチン塩酸塩錠20mg「オーハラ」 92 163.6 1190018F3018 43.77%
メマンチン塩酸塩錠20mg「ニプロ」 92 163.6 1190018F3018 43.77%
メマンチン塩酸塩OD錠20mg「KN」 92 163.6 1190018F6017 43.77%
メマンチン塩酸塩OD錠20mg「YD」 92 163.6 1190018F6017 43.77%
メマンチン塩酸塩OD錠20mg「ZE」 92 163.6 1190018F6017 43.77%
メマンチン塩酸塩OD錠20mg「アメル」 92 163.6 1190018F6017 43.77%
メマンチン塩酸塩OD錠20mg「オーハラ」 92 163.6 1190018F6017 43.77%
メマンチン塩酸塩OD錠20mg「杏林」 92 163.6 1190018F6017 43.77%
メマンチン塩酸塩OD錠20mg「ケミファ」 92 163.6 1190018F6017 43.77%
メマンチン塩酸塩OD錠20mg「サンド」 92 163.6 1190018F6017 43.77%
メマンチン塩酸塩OD錠20mg「武田テバ」 92 163.6 1190018F6017 43.77%
メマンチン塩酸塩OD錠20mg「日医工」 92 163.6 1190018F6017 43.77%
メマンチン塩酸塩OD錠20mg「ニプロ」 92 163.6 1190018F6017 43.77%
レボフロキサシン錠500mg「F」 (レボフロキサシンとして) 67.4 114.5 6241013F3019 41.14%
レボフロキサシン錠500mg「ZE」 (レボフロキサシンとして) 67.4 114.5 6241013F3019 41.14%
レボフロキサシン錠500mg「ニットー」 レボフロキサシンとして 67.4 114.5 6241013F3019 41.14%
レボフロキサシン錠500mg「明治」 (レボフロキサシンとして) 67.4 114.5 6241013F3019 41.14%
レボフロキサシン粒状錠500mgモチダ(レボフロキサシンとして) 67.4 114.5 6241013F7014 41.14%
フルコナゾールカプセル50mg「F」 145 244.1 6290002M1011 40.60%
フルコナゾールカプセル50mg「サンド」 145 244.1 6290002M1011 40.60%
フルコナゾールカプセル50mg「タカタ」 145 244.1 6290002M1011 40.60%
バラシクロビル錠500mg「F」 112.4 184.5 6250019F1071 39.08%
ドネペジル塩酸塩錠10mg「日医工」 89.5 146.7 1190012F5013 38.99%
ドネペジル塩酸塩OD錠10mg「日医工」 89.5 146.7 1190012F6010 38.99%
オザグレルNa点滴静注液20mg「ケミファ」 1mL 237 387 3999411A3010 38.76%
ビカルタミド錠80mg「TCK」 151.2 234.8 4291009F1012 35.60%
ビカルタミド錠80mg「アメル」 151.2 234.8 4291009F1012 35.60%
ビカルタミド錠80mg「サンド」 151.2 234.8 4291009F1012 35.60%
オキサリプラチン点滴静注液50mg/10mL「ケミファ」 4833 6832 4291410A1037 29.26%
オキサリプラチン点滴静注液50mg/10mL「ホスピーラ」 4833 6832 4291410A1061 29.26%
オキサリプラチン点滴静注液50mg「NK」 10mL 4833 6832 4291410A1096 29.26%
オキサリプラチン点滴静注液50mg「日医工」 10mL 4833 6832 4291410A1134 29.26%
オキサリプラチン点滴静注液50mg/10mL「KCC」 4833 6832 4291410A1150 29.26%
リセドロン酸Na錠17.5mg「ファイザー」 123.7 174.2 3999019F2014 28.99%
ボセンタン錠62.5mg「JG」 866.9 1219.3 2190026F1014 28.90%
ボセンタン錠62.5mg「モチダ」 866.9 1219.3 2190026F1014 28.90%
スマトリプタン錠50mg「SN」 166.9 234.2 2160003F1014 28.74%
スマトリプタン錠50mg「マイラン」 166.9 234.2 2160003F1014 28.74%
イマチニブ錠100mg「TCK」 301.1 419.4 4291011F1010 28.21%
イマチニブ錠100mg「ファイザー」 301.1 419.4 4291011F1010 28.21%
オムニパーク300注150mL 64.71% 5058 7015 7219415H6030 27.90%
レトロゾール錠2.5mg「KN」 103.1 142.9 4291015F1018 27.85%
アナストロゾール1mg錠 74.1 102.2 4291010F1015 27.50%
アナストロゾール錠1mg「サンド」 74.1 102.2 4291010F1015 27.50%
アナストロゾール錠1mg「マイラン」 74.1 102.2 4291010F1015 27.50%
ナルフラフィン塩酸塩2.5μgカプセル 220.1 302.8 1190015M1010 27.31%
ナルフラフィン塩酸塩カプセル2.5μg「BMD」 220.1 302.8 1190015M1010 27.31%
ナルフラフィン塩酸塩カプセル2.5μg「YD」 220.1 302.8 1190015M1010 27.31%
オキサリプラチン点滴静注液200mg/40mL「ケミファ」 16609 22504 4291410A3048 26.20%
オキサリプラチン点滴静注液200mg「NK」 40mL 16609 22504 4291410A3080 26.20%
オキサリプラチン点滴静注液200mg/40mL「ホスピーラ」 16609 22504 4291410A3153 26.20%
カルテオロール塩酸塩点眼液1%「ニッテン」 78.7 106.5 1319701Q1013 26.10%
メマンチン塩酸塩OD錠15mg「TCK」 95.7 128.5 1190018F7021 25.53%
メマンチン塩酸塩OD錠15mg「クラシエ」 95.7 128.5 1190018F7030 25.53%
メマンチン塩酸塩OD錠15mg「ケミファ」 95.7 128.5 1190018F7048 25.53%
メマンチン塩酸塩OD錠15mg「サンド」 95.7 128.5 1190018F7056 25.53%
メマンチン塩酸塩OD錠15mg「日新」 95.7 128.5 1190018F7064 25.53%
リザトリプタンOD錠10mg「ファイザー」 155.8 208.6 2160006F2014 25.31%

 

オムニパーク以外はジェネリックですね。昨年発売されたメマンチン塩酸塩関連のGEが多いですが、よく見ると全メーカーが同率の引き下げとなっていないことが分かります。

ちなみにメマンチン塩酸塩20mg錠だけで見てみると、現薬価163.6円に対して

新薬価①92円

メマンチン塩酸塩錠20mg「KN」
メマンチン塩酸塩錠20mg「アメル」
メマンチン塩酸塩錠20mg「オーハラ」
メマンチン塩酸塩錠20mg「ニプロ」
メマンチン塩酸塩OD錠20mg「KN」
メマンチン塩酸塩OD錠20mg「YD」
メマンチン塩酸塩OD錠20mg「ZE」
メマンチン塩酸塩OD錠20mg「アメル」
メマンチン塩酸塩OD錠20mg「オーハラ」
メマンチン塩酸塩OD錠20mg「杏林」
メマンチン塩酸塩OD錠20mg「ケミファ」
メマンチン塩酸塩OD錠20mg「サンド」
メマンチン塩酸塩OD錠20mg「武田テバ」
メマンチン塩酸塩OD錠20mg「日医工」
メマンチン塩酸塩OD錠20mg「ニプロ」

新薬価②133.4円

上表以外のメーカー

 

新薬価①の銘柄を採用している薬局は「残念でした~」ということなのですが、なんだか腑に落ちませんね。ただ、患者さんにとってはうれしいことなので、是非アピールしてください。

1日当たり薬剤料が40円違いますので、1割負担の患者さんで30日分だと、120円安くなりますね。(40円/日x30日x10%=120円)

う~ん、それにしてもジェネリックの採用もなかなか難しいですね。

 

 

先発品薬価引下げ影響上位品目

注射剤を除く先発品の改定率を見てみましょう。

薬価が変わらないものは約750品目、薬価が下がるものは約2000品目あります。

引下げ品目のうち単位薬価が100円以上で絞り込むと、約800品目。

引下げ率で見ると、10%以上の引き下げとなるのが177品目です。その上位を下表に示します。

医薬品名 新薬価 旧薬価 薬価収載CD 薬価引下げ率
パリエット錠20mg 136.2 162.4 2329028F2020 16.13%
パリエット錠10mg 72.7 86.1 2329028F1023 15.56%
フェマーラ錠2.5mg 389.1 459.1 4291015F1026 15.25%
ブイフェンド錠50mg 654.6 766.7 6179001F1023 14.62%
パリエット錠5mg 41.7 48.5 2329028F3026 14.02%
ネオーラル10mgカプセル 72.9 84.7 3999004M3021 13.93%
ルボックス錠75 75mg 56.3 65.4 1179039F3039 13.91%
フリバス錠75mg 89.8 104.2 2590009F3023 13.82%
フリバスOD錠75mg 89.8 104.2 2590009F5026 13.82%
ネオーラル50mgカプセル 269.3 312.3 3999004M5024 13.77%
ノルバデックス錠10mg 88.6 102.3 4291003F1163 13.39%
ブイフェンド錠200mg 2075.9 2393.7 6179001F2020 13.28%
ネオーラル25mgカプセル 157.6 181.7 3999004M4028 13.26%
アイピーディカプセル50 50mg 25.6 29.4 4490016M1023 12.93%
アイピーディカプセル100 100mg 29 33.3 4490016M2020 12.91%
シングレア錠5mg 111.1 127.5 4490026F3039 12.86%
カソデックス錠80mg 518.6 594.8 4291009F1039 12.81%
カソデックスOD錠80mg 518.6 594.8 4291009F2027 12.81%
セルセプトカプセル250 250mg 190.1 217.8 3999017M1026 12.72%
ミラペックスLA錠1.5mg 361.7 413.5 1169012G2024 12.53%
ミラペックスLA錠0.375mg 106.2 121.4 1169012G1028 12.52%
シングレアチュアブル錠5mg 137.1 156.7 4490026F1052 12.51%
イルベタン錠200mg 122.5 139.9 2149046F3034 12.44%
ノルバデックス錠20mg 173.5 198.1 4291003F2054 12.42%
アロマシン錠25mg 300 342.3 4291012F1022 12.36%
レベトールカプセル200mg 420.4 479.2 6250022M1021 12.27%
アリセプト錠10mg 368.3 419.6 1190012F5021 12.23%
アリセプトD錠10mg 368.3 419.6 1190012F6028 12.23%
アレジオンドライシロップ1% 56 63.8 4490014R1021 12.23%
アルファロールカプセル3μg 77.5 88.1 3112001M4037 12.03%
ネオーラル内用液10% 633.2 719.7 3999004S2032 12.02%

パリエット錠、免疫抑制系、抗ガン剤系などの影響が大きそうです。

 

薬価引上げ品目

一方、今回の改定で引上げとなったのは、19品目のみです。昨年の改定では561品目あったので随分少ないですね。診療報酬改定の谷間の薬価改定だからでしょうか。。

全部見てみましょう!

医薬品名 新薬価 旧薬価 薬価収載CD 薬価引下げ率
ロキソプロフェンNa錠60mg「サワイ」 8 7.9 1149019F1587 -1.27%
ロキソプロフェンNa錠60mg「トーワ」 8 7.9 1149019F1625 -1.27%
ロキソプロフェンNa錠60mg「ツルハラ」 8 7.9 1149019F1633 -1.27%
ロキソプロフェンNa錠60mg「KN」 8 7.9 1149019F1641 -1.27%
ロキソプロフェンNa錠60mg「日新」 8 7.9 1149019F1676 -1.27%
ロキソプロフェンNa錠60mg「TCK」 8 7.9 1149019F1706 -1.27%
ロキソプロフェンNa錠60mg「武田テバ」 8 7.9 1149019F1730 -1.27%
サリチル酸ナトリウム・ジブカイン配合5mL注射液 62 61 1149503A1016 -1.64%
タイオゼット注5mL 62 61 1149503A1016 -1.64%
ジカベリン注5mL 62 61 1149503A1016 -1.64%
トリクロルメチアジド錠2mg「イセイ」 6.2 6.1 2132003F1419 -1.64%
トリクロルメチアジド錠2mg「SN」 6.2 6.1 2132003F1478 -1.64%
カリジノゲナーゼ錠25単位「アメル」 5.9 5.7 2491001F5161 -3.51%
カリジノゲナーゼ錠25単位「トーワ」 5.9 5.7 2491001F5196 -3.51%
カルバゾクロムスルホン酸Na錠30mg「ツルハラ」 5.9 5.7 3321002F2439 -3.51%
カルバゾクロムスルホン酸Na錠30mg「トーワ」 5.9 5.7 3321002F2447 -3.51%
オフロキサシン100mg錠 49 21.2 6241006F1016 -131.13%
オフロキサシン錠100mg「ツルハラ」 49 21.2 6241006F1016 -131.13%
オフロキサシン錠100mg「テバ」 49 21.2 6241006F1016 -131.13%

 

 ロキソプロフェン錠がありますが、7.9円が8円にって…意味あるんですかね?
1日3錠の薬価が、現薬価 23.7円⇒薬剤料だと20円、新薬価 24円⇒薬剤料だと20円

薬価が微増した分、納入価も微増するとしたら、薬局にとってはダメージとなりますが、元の薬価が安いので大きな影響はないでしょう。

オフロキサシン100mg錠については、昨年の改定で「JG」「サワイ」が約4倍に引き上げられたのに対して、「ツルハラ」「テバ」が引き下げられていました。

タリビッド錠を含むオフロキサシン錠の薬価は次の通り。

医薬品名 新薬価 旧薬価 薬価収載CD 薬価引下げ率
オフロキサシン錠100mg「JG」 49 82.8 6241006F1016 40.82%
オフロキサシン錠100mg「サワイ」 82.8 82.8 6241006F1040 0.00%
タリビッド錠100mg 82.8 82.8 6241006F1121 0.00%
オフロキサシン100mg錠 49 21.2 6241006F1016 -131.13%
オフロキサシン錠100mg「ツルハラ」 49 21.2 6241006F1016 -131.13%
オフロキサシン錠100mg「テバ」 49 21.2 6241006F1016 -131.13%

 

ちなみにオフロキサシン錠(タリビッド錠含む)は基礎的医薬品という扱いになり、先発品・後発品には区分されませんので合わせて確認しておきたいですね。
銘柄指定処方を他銘柄に変更調剤するには疑義照会が必要になります。近隣処方元には一般名(局方名)での処方をお願いしておきましょう。

 

薬価変わらないのは約10,800品目

そして、今回薬価が変わらなかった品目が約10,800品目ありました。

 

 

薬価引下げ率リストのダウンロードはこちらのページからどうぞ。 

今年はリストに、厚労省ホームページにある後発品情報(0:基礎的医薬品、1:後発品のない先発品、2:後発品のある先発品、3:後発品、☆:後発品より薬価が同額以下の先発品、★:先発品より薬価が同額以上の後発品)を追加しました。

 

pharmalabo.hatenablog.com

 

【ダウンロード】2021年4月薬価引下げ率リスト

2021年度診療報酬改定に伴う薬価改定について、診療報酬情報提供サービスに掲載されたデータを基に薬価引下げ率リストを作成しました。

今年はリストに、厚労省ホームページにある後発品情報(0:基礎的医薬品、1:後発品のない先発品、2:後発品のある先発品、3:後発品、☆:後発品より薬価が同額以下の先発品、★:先発品より薬価が同額以上の後発品)を追加しました。

 

2021年4月薬価引下げ率リスト.xlsx

 

※Microsoft の onedrive を利用しています。ブラウザでExcel様式のファイルが開きますので、ツールバーにある「ダウンロード」ボタンでお使いのPCにダウンロードしてください。(Windowsの場合ダウンロードフォルダに保存されていると思います)

ダウンロードしたファイルは「編集を有効」にすれば加工ができます。

 

みなさんの薬局で採用している採用品リストから医薬品コード(レセプト電算コード・9桁数字)を「自店リスト」シートのA列に貼り付ければ一覧「20210401」シートの医薬品コード列に色が付きます(条件付き書式設定をしています)。

医薬品コード列の▼マークで「セルの色で並べ替え」又は「色フィルター」を選択すれば、あなたの薬局の採用品のみの薬価改定リストができあがります。

 

こちらもどうぞ。。。 

新型コロナウイルス:「0410対応」と薬局の対応まとめ

新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、いわゆる電話診療や電話服薬指導の時限的解禁措置が、2月28日、3月19日の事務連絡に続き、4月10日に「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の 時限的・特例的な取扱いについて」が更新通知という形で発出されています。

 

 2月28日当初は、病院に来て新型コロナウイルス感染してしまうことを防止する観点で、かかりつけの医療機関で既に処方されている薬(いわゆる定期薬)のみであれば、電話等で診療後、薬局で薬を交付するか電話等で服薬指導を受けて薬を送付することが認められました。https://www.mhlw.go.jp/content/000602426.pdf

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続いて、3月19日の事務連絡では、定期薬のほかに「発症が容易に予測される症状の変化に対する処方について」という事項が追加され、これまで処方されていない薬でも処方が可能になりました。また、新型コロナウイルス感染症患者に対しては、無症状や軽症の人が自宅などで療養する場合に限り処方が可能ということになりました。

新型コロナウイルスへの感染を疑う患者の診療に関しては、引き続き対面診療が必要とされていました。https://www.mhlw.go.jp/content/000611278.pdf

 

そして3月下旬から首都圏でも感染拡大の影響が大きくなってきたこともあり、初診患者に対しても電話等診療を認めるべきという声が各所から相次いだことで、4月7日に閣議決定された「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」のなかで、『電話等診療が希望する患者によって活用されるように制度を見直す』とされたことを受け、4月10日に「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の 時限的・特例的な取扱いについて」が発出されました。https://www.mhlw.go.jp/content/000620995.pdf 

この事務連絡では、初診の患者であっても医師の判断で電話等診療が認められ、対面診療で交付された処方箋の調剤においても電話等服薬指導が可能となりました。また、新型コロナウイルス感染症患者のうち、自宅療養又は宿泊施設で療養している患者に対しても電話等診療・服薬指導を実施できる規定が加わりました。

ただ、初診患者に対しては、処方に際しいくつかの制限が設けられています。

 

(ページ下部にダウンロードリンクがあります)======

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★医科について

処方できる薬剤について

初診から電話等診療を行う場合や、2回目以降の診療だがまだ対面診療を未実施の場合(つまり、初診からずっと電話等診療しかしていない場合)には、

  • 麻薬・向精神薬の処方ができない

となっています。

基礎疾患などが把握できていない場合

初診から電話等診療を行う場合や、2回目以降の診療だがまだ対面診療を未実施の場合で、カルテなどで患者の基礎疾患などの情報が把握できていない場合は、

  • 処方日数は7日を上限とする
  • 麻薬・向精神薬に加えて、特に安全管理が必要な医薬品(いわゆる「ハイリスク 薬」)は処方できない
  • 院外処方の場合は、基礎疾患を把握できていない旨を備考欄に記載

となっています。

受給資格などの確認について

初診から電話や情報通信機器を用いた診療を実施する場合の留意点として、

  • 初診から電話や情報通信機器を用いて診療を行うことが適していない症状や疾病等、生ずるおそれのある不利益、急病急変時の対応方針等について、医師から患者に対して十分な情報を提供し、説明した上で、その説明内容について診療録に記載する
  • 対面で診療を行う場合と比べて、患者の身元の確認や心身の状態に関する情報を得ることが困難であり、患者のなりすましの防止や虚偽の申告による処方を防止する観点から、患者の受給資格や医師資格を画面を通じて又はFAXでコピーを送付するなどにより双方確認することが望ましい
等となっています。

実施状況の報告

初診から電話等診療を行った場合や、2回目以降の診療だがまだ対面診療を未実施の場合に、医療機関は所在地の都道府県に毎月報告を行うこととなり、各都道府県は管下の医療機関における毎月の実施状況をとりまとめ、厚生労働省に報告を行うことと規定されました。

この報告義務は、政策がどの程度実効性を伴っているかを把握するための措置と考えられます。 

患者が電話等服薬指導を希望する場合

患者が、薬局において電話や情報通信機器による情報の提供及び指導を希望する場合、

  • 処方箋の備考欄に「0410 対応」と記載
  • 薬局にファクシミリ等により処方箋情報を送付すること。その際、医師は診療録に送付先の薬局を記載する
  • 医療機関は、処方箋原本を保管し、処方箋情報を送付した薬局に当該処方箋原本を送付する

といった規定となっています。ここで重要なのは、電話等診療か対面診療かに関わらず「0410対応」とできることです。

患者が電話等服薬指導を希望しない場合

患者が電話等服薬指導を希望しない場合については何も書かれていません。

「電話診療→薬局来局して受け取り」の場合は、0319通知では「電話再診」などの文言を処方箋備考欄に記載していたのでそのまま対応している医療機関が多いようです。

日薬からは、「0410対応」の処方箋であって、電話等服薬指導を実施した患者であっても調剤した薬剤を送付(従業員による配達または配送業者による送付)した場合のみ、レセプトの摘要欄に「0410対応」と記載するようにと通達を出しています。

要は、閣議で決定した政策がどれくらい実施されているかを把握したいんでしょうね。

 

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★薬局について

処方箋の取り扱いについて

「0410対応」とされたFAX処方箋を受信した場合、薬局は

  • 処方箋原本を入手するまではFAX処方箋を薬剤師法及び薬機法上の処方箋とみなして調剤する
  • 処方箋原本入手後はFAX処方箋とともに保管

することになります

電話等服薬指導の実施について

全ての薬局において、
薬剤師が患者、服薬状況等(薬歴、お薬手帳、他薬局からの情報、医師の診療情報、患者からのヒアリング情報)に関する情報を得た上で可能と判断すれば可とされました。
  • 「0410対応」の処方であっても、来局の上対面での服薬指導でも構わない
  • 「0410対応」ではなく処方箋原本が持ち込まれた場合でも電話等で服用指導を実施することも可能
  • 吸入薬や注射薬に関しては、患者、服薬状況等に関する情報に加え、医師による指導の状況患者理解に応じて可能と判断した場合にのみ実施可

当該患者に初めて調剤した薬剤に係る指導

薬剤師は患者の服薬アドヒアランスの低下等を回避して薬剤の適正使用を確保するため、調剤する薬剤の性質や患者の状態等を踏まえ、

  1. 必要に応じ、事前に薬情をFAXなどしてから服薬指導する
  2. 必要に応じ、薬剤交付時(配送後速やかに)再度服薬指導等を行う
  3. 服用期間中に服薬状況の把握や副作用を確認
  4. 上記で得られた患者の服薬状況等の必要な情報を処方医にフィードバックする

こととされました。3,4は必須と考えていいでしょう。処方医にフィードバックした場合は要件を満たすようにして、服薬情報等提供料2(20点)をぜひ算定しましょう!!

薬剤の配送

0228通知や0319通知では、薬局と患者の合意に基づいて行うとされていた薬剤の配送についても規定されました。

  • 品質の保持や確実な授与ができる方法(書留郵便等)で授与し、電話等で患者が受領したことを確認
  • 品質保持に注意を要する薬剤、または早急に授与する必要がある薬剤の場合は、スタッフによる配達、来局を求めるなど工夫する

電話等服薬指導の実施に関する周知について

薬局内への掲示やホームページへの掲載等を通じて事前に医療機関関係者や患者等に周知する、という規定が設けられました。その内容は、
  1. 服薬指導等で使用する機器
  2. 処方箋の受付方法(FAX、メール、アプリケーションなど)
  3. 薬剤の配送方法
  4. 支払い方法(代金引換サービス、クレジットカード決済等)
  5. 服用期間中の服薬状況の把握に使用する機器

となっています。

 

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いかがでしょうか。だいぶ整理されたのではないでしょうか。

今回の記事内容を一覧にしたもの(PDFファイル)をこちらからダウンロードできます。 pharmalabo.hatenablog.com

 

 

 

【ダウンロード】0410対応のまとめ

新型コロナウイルス対策で様々な通知が出ていますが、4月10日に発出された事務連絡「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の 時限的・特例的な取扱いについて」の内容を、主なものについてPDFファイルにまとめてみました。

 

f:id:ashomopapa:20200524164807p:plain

ダウンロードはこちら

 

※内容については、各薬局においても十分に確認して頂き、ご利用ください。

 

 

 

薬局内の新型コロナウイルス感染防止策どうしてますか?

3月の新薬価告示からの在庫削減、4月の診療報酬改定対策と同時進行で新型コロナウイルス対応に追われて、なかなか大変な日々を過ごされているのではないでしょうか。

 

私の薬局でも最低限の改定対応をしながら、専らコロナ対策で防護具の調達や、感染防止の手順書を作成したりとなかなか大変でした。

 

この間に、いわゆる「0410通知」と呼ばれる電話診療及び服薬指導に係る通知が出ています。更に4月30日の補正予算成立を受けて、「薬剤交付支援事業」が開始されました。

 

今回は、やっと感染防止の手順作成を終えたところですし、ネット上に具体的な薬局の感染防止対策がまだそれほど見当たらないので、私の薬局の感染防止策について少し紹介しようと思います。

 

 

店舗の対応

まず、誰もが新型コロナウイルス保有の可能性があることを考慮し、標準予防策(サージカルマスクの着用手指消毒の徹底)を最低限のお約束とするとともに、下記項目を実施することとしました。。

マスクの着用

就業時間内は、必ずサージカルマスク(フィルター機能付き不織布マスク)を着用

※着脱の際には手指消毒を実施し、マスクによる汚染がないように注意が必要です

※日本環境感染学会のホームページでも医療従事者はサージカルマスクを着用すべき旨の記載があります。サージカルマスクでないマスクでは、その後濃厚接触者(中リスク・高リスク)と判定されてしまいます。

手指消毒の徹底

石鹸での手洗い、もしくは消毒用エタノールでの手指消毒をこまめに実施することとしました。手洗いはそんなにしょっちゅうできないので基本は消エタですね。

 具体的な実施タイミングも決めました。

《スタッフ》

  • 投薬前後
  • 金銭授受時
  • レセコン入力後
  • 分包作業前
  • 他、お薬手帳やOTC等などの物品授受時
  • 特に感染性疾患の患者対応後は、必ず実施する。
  • 在宅業務ほかで社用車使用時、乗車前、降車時
  • 個人宅到着後屋内玄関に入った時、および屋外退出後
  • 施設訪問時は施設の方針に従う
  • 帰宅時玄関内で靴を脱ぐ前

《患者》

  • 薬局入り口に手指消毒用アルコールなどを設置し、使用の呼びかけを表示

※マスクの着脱や手洗い・手指消毒についてはイラストで手順を示し、全員が正しい手順・方法で実施できるようにしました。

 

清掃

消毒用エタノールや0.05%の次亜塩素酸ナトリウム含有のペーパータオルなどで、不特定多数の者が触る以下のような場所を、定期的に最低でも1日3回以上(できるだけ1時間ごとに)は清拭消毒・水拭きを行う。

  • 自動ドアのドアボタン
  • 初回アンケート用のクリップボードとボールペン(患者が使用の都度)
  • 釣銭皿
  • クレジットカード端末
  • トイレなどのドアノブ、便座、温水洗浄リモコン、トイレット紙ホルダーなど
  • ソファ
  • 投薬カウンター、受付カウンター
  • 洗面所の蛇口、ハンドソープ周り、ゴミ箱付近など
  • 飛沫防止シート
  • レジ周辺(タッチパネル、キーボード、クレジット端末、電卓など)
  • PC周辺(レセコン、業務用PC、電子薬歴PCなどのマウス、キーボードなど)
  • iPad及び周辺機器、店舗携帯電話
  • 調剤備品(ホチキス、テープのり、定規、各種スタンプ、裁断台、調剤トレイ・カゴなど)
  • 患者向けの血圧計や雑誌・リーフレット、血圧手帳などは片づけて、患者同士が物を共有(一度触ったものを元の場所に戻す)しないように留意する

※機器類の消毒の際には直接スプレーしないように注意しましょう!

※次亜塩素酸ナトリウム使用時はゴム手袋をして換気にも注意すること。また噴霧はしない。金属には使用しない。

※0.05%=500mLのペットボトルの水に、原液(5%の場合)を5mL(ペットボトルキャップ1杯分)を薄める(希釈した消毒液は当日中に使用する)

 

ペーパータオルに消毒液をスプレーして、そのペーパータオルで清拭するときには、タオルの全面にスプレーしないと意味がないことも現場に周知しておくといいと思います。ニュースなどで飲食店などの店員さんたちがテーブルや椅子を清拭している映像が映るのですが、タオルの中心部にだけスプレーしてタオル全面を使って清拭しても不十分ですよね。。。

 

換気(密閉回避)

店内(休憩室含む)の開放可能な窓を1回数分程度全開にする。

換気回数は最低でも30分に1回以上実施。

※風が吹き抜けるように複数方向の窓を開けることが有効。ただし、風が強く吹き込む場合は適宜窓を閉める。

※外から投薬カウンター又は調剤室に風が強く吹き込まないように、窓の開放具合を調整する⇒調剤室内はどうしても「密」になってしまうので、換気をしながらも外部から空気が流れ込まないような工夫が必要かと。。

 

待合室(密集・密接回避)

  • 椅子の間隔を1m以上離す。(長椅子などの場合は座る位置を明示する)
  • 待合では大きな声での会話を控えるように、掲示をしておく
  • 待合室が混雑しそうなら、処方箋をお預かりしたら駐車場の車内で待ってもらう
  • その場合は呼び出しのため携帯電話番号を伺う
  • 待合室の密集・密接防止対応の周知のため、薬局入り口に掲示を行う

《発熱や呼吸器症状がある患者に対して》

  • すぐに薬局の店内に入るのではなく、まず電話連絡をするように掲示しておく
  • その他の患者が店内にいなくなったタイミングで薬局から電話をして呼び出す
  • 待合での待機場所を指定するなど、その他の患者と一定の距離を保てるように配慮

※患者からの申告がなく、受付の際に初めて熱等患者であることが判明することも想定されるため、当該患者に穏やかに車内待機を促すなど毅然と冷静に対処することも大切ですね。

休憩室など(密集・密接回避)

  • 就業中・休憩中を問わず、従業員同士できるだけ離れて密接を避ける
  • 休憩室利用時は窓を開け換気を図る
  • 可能な限り時間をずらして休憩室を利用する
  • 同時に休憩する場合は、対面(正面)の位置ではなく斜めの位置で座る
  • POPスタンドとクリアファイルを利用してテーブルの中央にパーテーションを設ける(特に複数人で食事をとる際)

※マスクを外す際にはマスク表面が汚染されているとして、周りが汚染しないように注意して扱い、再着用までの間の保管の仕方に注意が必要ですね。また着脱の際には手指消毒を徹底することを忘れないようにしましょう。

 

 

患者服薬指導における対応

来局した患者が、後に新型コロナウイルス感染症患者であることが判明した場合であっても、原則として以下に示す対応を適切に実施できていれば濃厚接触者には該当しないこととされているため、各従業員とその家族の健康を守るためにも、薬局が薬剤供給という社会的使命を果たすため営業を継続するためにも、以下の対応を遵守することとしました。

発熱や呼吸器症状などを呈している感染症が疑われる患者さん(感染症疑い患者)

  • 直接応対するスタッフは、標準予防策に加えて、飛沫予防策および接触予防策を実施すること ※長袖ガウン(なければビニールエプロン+アームカバー)、手袋、フェイスシールド(なければゴーグルまたはメガネ)などの個人防護具を装着する
  • 個人防護具を着用中または脱衣時に目・鼻・口の粘膜に触れないように注意し、着脱の前後で手指消毒を実施すること
  • 原則駐車場車内での投薬対応として、直接応対するのは薬剤師1名とする(雨天などで1名での対応が困難な場合は、薬剤師または事務スタッフが応対に加わることとする)
  • 直接応対する可能性のあるスタッフを予め決めておき、個人防護具の正しい着脱方法についてあらかじめ習熟しておく(社員である薬剤師、事務スタッフを原則とする)
  • 対応に携わった薬局の薬剤師等の状況について、職員名、個人防護具の状況、応対時間などを薬歴に記録しておく(後に、濃厚接触者かどうかの判定材料となる)
  • 感染症疑い患者であることのみをもって調剤の求めを拒否することはできない
  ※全体の対応のフロー図を別紙にまとめて周知しました。

現時点では感染症の疑いがない患者さん(一般患者)

  • 標準予防策(サージカルマスクの着用、手指衛生の徹底)を実施する
  • 手指消毒をしていない手で目・鼻・口の粘膜に触れないように注意する

《手指消毒の実施タイミング》

  • マスク着脱の前後
  • 投薬後または金銭授受を終えた後
  • レセコン入力、患者手帳確認、保険証確認などの作業後(患者ごとに実施することが望ましい)

 あとは、マスクをしていない患者さんにマスク着用を促すか、スタッフ用のマスクを1枚販売する形で提供するなども必要かもしれませんね。

 

従業員の健康管理及び就労に関する対応

全ての従業員に、体調不良による就業制限の可能性があることを踏まえ、管理薬剤師は、各従業員が主となって担当している業務(施設調剤、個人在宅、往診同行、発注(医薬品・OTCほか)、レセプト処理など)について副担当者を選定し、できる限り速やかに業務内容を共有しておくことが必要です。

朝の検温記録の実施

全職員が出勤前に検温し、店舗の記録用紙に記録する。

 

従業員に、以下の症状が出た場合の対応

 ⅰ.発熱の他比較的軽い風邪様の症状(熱、咳、痰、咽頭痛など)

 ⅱ.倦怠感

 ⅲ.味覚または嗅覚の異常

 ⅳ.その他の症状での不調

(5月に入り受診の目安となる症状が変更されたので、それに合わせました) 

出勤について

ⅰ~ⅲの場合:出勤せず、管理薬剤師へ報告し、管理薬剤師より本部へ報告する。

ⅰの状態が4日以上続く場合は必ず、また数日続く場合でも帰国者・接触者相談センターに連絡すること。

ⅱ~ⅲの症状がひどい場合は速やかに帰国者・接触者相談センターに連絡すること

ⅳの場合:管理薬剤師へ報告し、出勤について相談する。管理薬剤師は出勤可否にかかわらず本部長へ報告する。判断が困難な場合は本部長の指示を仰ぐこととしました。

 

復職時期について

ⅰ~ⅲの場合:解熱剤や対症療法の薬剤を終了して、解熱及びその他症状の消失後、概ね3日(72時間)が経過していること。

ⅳの場合:管理薬剤師は当該従業員から状況を確認し、出勤の可否を検討し、本部長へ報告・了承を得る。また、判断が困難な場合には本部長の指示を仰ぐ。

※PCR検査の対象とならなかった人の復職のタイミングについて目安を定めているような記事は見つかりませんでした。なので、おおよそ3日としてみただけなんです。。。

従業員の同居家族に、上記のⅰ~ⅳの症状が出た場合の対応

当該家族とは家庭内でできる限り密接回避するとともに、接触感染防止にも最大限配慮してください

当該家族を含め、家族全員が手指衛生励行を徹底する(家庭用の消毒用エタノールが十分にない場合は管理薬剤師と相談の上、店舗用の利用を認める)

  • 当該家族と他の同居者の部屋を可能な限り分ける
  • 当該家族の世話をする人は、できるだけ限られた方(一人が望ましい)にする
  • できるだけ全員がマスクを使用する
  • 全員が小まめにうがい・手洗いをする
  • 日中はできるだけ換気をする。
  • ドアの取っ手、ノブなどの共用する部分を消毒する
  • 汚れたリネン、衣服を他の同居者とは分けて洗濯する(体液で汚れた衣服、リネンを取り扱う場合は、手袋、マスクを使用し、一般的な家庭用洗剤を使用した洗濯機を使用して、洗濯し完全に乾かします)
  • ゴミは密閉して捨てる(鼻をかんだティッシュなどにもウイルスがついています。同居者が触ると感染する可能性があるので、すぐにビニール袋に入れ、室外に出すときは密閉して捨てましょう)

県外移動等する場合の対応

原則、不要不急の外出は厳禁とする。

(従業員)医療従事者の自覚をもって行動する

  • 県外へやむを得ず行く場合は、事前に、管理薬剤師を経由して本部長の承認を得ることとする。また三密(密閉・密集・密接)回避に十分配慮するとともに、標準予防策(マスク着用・手指衛生の励行)を徹底の上行動する旨の誓約書を提出する。

なお、県外移動から帰省後出勤可能となる日までを自己都合による休日とみなします。

帰省後は速やかに県外での主な行動履歴と健康状態を管理薬剤師と本部長に報告し、出勤可否の指示を仰ぐ。

管理薬剤師は当事者と本部長と十分に連携し、他の店舗スタッフの不安を払拭するように努める。本部長はこれを支援する。

 

  • 県内で外出する場合は、三密(密閉・密集・密接)回避に注意し行動する。アルコールスプレーを携帯し、手指衛生を徹底する。 ←全スタッフに小さめの携帯スプレーを配布しています

 

(従業員の同居家族)

県外への出張や県外から家族が帰省してくるなどの場合には、管理薬剤師に事前に報告し、管理薬剤師は本部長へ報告する。

当該家族が特定警戒地域から帰省する場合には、帰省してから14日間は、「Ⅲ、3.従業員の同居家族に上記のⅰ~ⅳの症状が出た場合の対応」に準じて家庭内で行動してください。

 

各種手順のイラスト

指示が周知徹底されるために、手順などをイラスト化したいと考え、ネットから無料のものを引用して、以下の手順を周知しましたよ。

  • 手指消毒の手順
  • 手洗いの手順
  • マスクの着用手順
  • 手袋の脱着手順
  • 個人防護具の装着・脱衣の順序
  • 「距離を開けてお座りください」POP
  • 感染症疑い患者への対応フロー図

 

 

 

いかがでしょうか。皆さんの薬局でも何かしらの対応はされているとは思いますが、スタッフを濃厚接触者にしないためにも、スタッフの安心のためにもしっかり対応していきたいですね。全国の同業者の皆さん、頑張りましょう!!

 

 

 

 

 

2020年4月新薬価告示!在庫絞るべきリスト

2020年4月からの新薬価が3月5日に告示され、同日夜に診療報酬情報提供サービスのサイトに掲載されました。

 

薬価基準に係る医薬品の一覧はこのサイトから入手するのがベストだと思います。くわしくはこちら 

pharmalabo.hatenablog.com

 

3月末に棚卸を控えている薬局が多いと思いますが、どの品目を絞るべきなのか、また、買い溜めしておくとよさそうな品目はどれか、などを考察しましょう。

 

薬価引下げ率影響上位品目

今回の改定で25%以上の引下げとなったのが、227品目あります。

更に単位薬価(旧薬価)が100円以上で絞り込むと、59品目になります。

引下げ率の降順だと次のようになります。

医薬品名 新薬価 旧薬価 薬価基準コード 薬価引下げ率
ヒカミロンディスポ関節注25mg 1%2.5mL 406 919 3999408G1328 55.8%
イマチニブ錠100mg「TCK」 419.4 854.7 4291011F1150 50.9%
イマチニブ錠100mg「ファイザー」 419.4 854.7 4291011F1184 50.9%
エルシトニン注20S 20エルカトニン単位1mL 222 446 3999401A3024 50.2%
アルベカシン硫酸塩注射液100mg「HK」 2mL 2557 4627 6119400A2014 44.7%
アルベカシン硫酸塩注射液200mg「HK」 4mL 3221 5750 6119400A4017 44.0%
ゾビラックス錠400 400mg 92.4 160.8 6250002F2021 42.5%
イノバン注100mg 5mL 223 386 2119402A1299 42.2%
シスプラチン点滴静注液10mg「ファイザー」 20mL 895 1527 4291401A1011 41.4%
エルシトニン注10単位 10エルカトニン単位1mL 147 247 3999401A2028 40.5%
シスプラチン点滴静注液50mg「ファイザー」 100mL 3874 6399 4291401A3014 39.5%
ゲムシタビン点滴静注用1g「日医工」 4591 7502 4224403D2134 38.8%
アルベカシン硫酸塩注射液75mg「HK」 1.5mL 2726 4376 6119400A1018 37.7%
ゾレア皮下注用75mg 14768 23556 2290400D2021 37.3%
ゾレア皮下注用150mg 29104 46422 2290400D1033 37.3%
ゾレア皮下注150mgシリンジ 1mL 29147 46490 2290400G2028 37.3%
ゾレア皮下注75mgシリンジ 0.5mL 14812 23625 2290400G1021 37.3%
バンコマイシン塩酸塩点滴静注用0.5g「日医工」 738 1177 6113400A1014 37.3%
ドネペジル塩酸塩OD錠10mg「アメル」 101.2 154.6 1190012F6010 34.5%
ドネペジル塩酸塩OD錠10mg「DSP」 101.2 154.6 1190012F6010 34.5%
ドネペジル塩酸塩錠10mg「DSEP」 146.7 223.8 1190012F5048 34.5%
ドネペジル塩酸塩OD錠10mg「TCK」 146.7 223.8 1190012F6109 34.5%
ナルフラフィン塩酸塩カプセル2.5μg「BMD」 302.8 461.7 1190015M1010 34.4%
パルミコート吸入液0.25mg 2mL 174.6 260.5 2290701G4020 33.0%
パルミコート吸入液0.5mg 2mL 234 346.8 2290701G5026 32.5%
クリスマシンM静注用1000単位 1,000単位(溶解液付) 35382 52211 6343429D8013 32.2%
乾燥濃縮人血液凝固第9因子 1,000単位(溶解液付) 35382 52211 6343429D8013 32.2%
クエチアピン細粒50%「サワイ」 188.6 278 1179042C1058 32.2%
レボホリナート点滴静注用100mg「BT」 2266 3337 3929407D2019 32.1%
エダラボン点滴静注液30mgバッグ「サワイ」 100mL 1404 2047 1190401G1085 31.4%
ケトチフェンPF点眼液0.05%「日点」 3.45mg5mL 247 350 1319730Q1222 29.4%
ケトチフェン点眼液0.05%「ニッテン」 3.45mg5mL 247 350 1319730Q1389 29.4%
セフキソン静注用1g 258 365 6132419F2018 29.3%
ペグイントロン皮下注用100μg/0.5mL用 (溶解液付) 21873 30835 6399420D2028 29.1%
注射用エフオーワイ100 100mg 263 369 3999403D1221 28.7%
フルコナゾール静注液50mg「日医工」 0.1%50mL 940 1316 6290401A1013 28.6%
フルコナゾール静注50mg「NP」 0.1%50mL 940 1316 6290401A6015 28.6%
シムビコートタービュヘイラー60吸入 4252 5935.3 2290801G2025 28.4%
ヘルベッサー注射用250 250mg 2590 3595 2171405D3020 28.0%
シムビコートタービュヘイラー30吸入 2201.5 3047.7 2290801G1029 27.8%
プレセデックス静注液200μg/50mLシリンジ「マルイシ」 3487 4812 1129400G1030 27.5%
リトドリン塩酸塩点滴静注液50mg「F」 1%5mL 212 292 2590402A1016 27.4%
ゼローダ錠300 300mg 251.5 346.4 4223005F1022 27.4%
ペルジピン注射液10mg 10mL 269 370 2149400A2023 27.3%
ジフルカン静注液100mg 0.2%50mL 2497 3434 6290401A2168 27.3%
プレセデックス静注液200μg「マルイシ」 2mL 3559 4890 1129400A1038 27.2%
注射用エフオーワイ500 500mg 1113 1526 3999403D2023 27.1%
塩酸バンコマイシン点滴静注用0.5g(シオノギ) 1476 2020 6113400A1120 26.9%
アイソボリン点滴静注用25mg 1327 1812 3929407D1160 26.8%
プロジフ静注液400 8%5mL 13181 17985 6290402A3029 26.7%
アイソボリン点滴静注用100mg 4531 6179 3929407D2108 26.7%
ジフルカンカプセル100mg 521.4 709.8 6290002M2026 26.5%
ゾビラックス点滴静注用250 250mg 1233 1676 6250401F1155 26.4%
エプジコム配合錠 2973.9 4020.8 6250102F1031 26.0%
プロジフ静注液100 8%1.25mL 3857 5213 6290402A1026 26.0%
プロジフ静注液200 8%2.5mL 7117 9619 6290402A2022 26.0%
プレセデックス静注液200μg「ファイザー」 2mL 3441 4649 1129400A1054 26.0%
プレセデックス静注液200μg/50mLシリンジ「ファイザー」 3645 4886 1129400G1022 25.4%
注射用フサン50 50mg 960 1286 3999407D2021 25.3%

シムビコートは2019年10月の改定で薬価引上げとなっていた品目ですが、今回大幅引き下げとなっています。

薬価引上げ率影響上位品目

一方、今回の改定で25%以上の引上げとなったのが、176品目あります。

更に単位薬価(旧薬価)が100円以上で絞り込むと、92品目になります。

これまでの改定に比べて引上げ品目が多いようですが、多くは注射、輸液で調剤薬局の備蓄にはあまり影響なさそうです。

 

少し幅を広げて、引上げ率10%以上、現薬価100円以上で、注射・輸液関連以外だと17品目となります。

引上げ率の降順だと次のようになります。

医薬品名 新薬価 旧薬価 薬価基準コード 薬価引下げ率
破トキ「ビケンF」 0.5mL 644 427 6322400X2013 -50.8%
マラロン小児用配合錠 246.8 164.5 6419101F2026 -50.0%
テトラサイクリン・プレステロン歯科用軟膏 353.1 237.6 2760803M1038 -48.6%
タモキシフェン錠20mg「明治」 140.4 105 4291003F2089 -33.7%
日点アトロピン点眼液1% 5mL 296.6 222.3 1311706Q2022 -33.4%
メトピロンカプセル250mg 429 330 7223001M1035 -30.0%
シズレミン点眼液2% 100mg5mL 184.9 148.2 1319717Q1014 -24.8%
クロモグリク酸Na点眼液2%「杏林」 100mg5mL 184.9 148.2 1319717Q1014 -24.8%
クロモグリク酸Na点眼液2%「日新」 100mg5mL 184.9 148.2 1319717Q1014 -24.8%
クロモグリク酸Na点眼液2%「トーワ」 100mg5mL 184.9 148.2 1319717Q1014 -24.8%
クロモグリク酸ナトリウム100mg5mL点眼液 184.9 148.2 1319717Q1014 -24.8%
生食液100mL「CHM」 130 115 3311401A3014 -13.0%
生理食塩液 100mL 130 115 3311401A3014 -13.0%
生食液バッグ100mL「CMX」 130 115 3311401H4019 -13.0%
生理食塩液 100mL 130 115 3311401H4019 -13.0%
アシテアダニ舌下錠300単位(IR) 300IR 214.3 192.6 4490030F2020 -11.3%
エムラパッチ 345.3 311.4 1219800S1027 -10.9%

私の薬局では近隣の歯科医院から、たまに「テトラサイクリン・プレステロン歯科用軟膏」が処方されるのですが、なんと4月から1.5倍の薬価になるようです。

東邦薬品などの分割販売品目にもなかったので、先月1本の処方に対して10本包装1箱を仕入れたところなのですが、「棚からぼた餅」的な感じでホッとしてます。

 

薬価変わらないのは約9000品目

そして、今回薬価が変わらなかった品目が約9000品目あります。

これは半年前に改定したから、ということがあるのでしょう。

 

結果的に、それほど大騒ぎしなくてもよさそうな薬価改定となりました。

 

薬価引下げ率リストのダウンロードはこちらのページからどうぞ。 

pharmalabo.hatenablog.com

 

 

【ダウンロード】2020年4月薬価引下げ率リスト

2020年度診療報酬改定に伴う薬価改定について、診療報酬情報提供サービスに掲載されたデータを基に薬価引下げ率リストを作成しました。

 

2020年4月薬価引下げ率リスト.xlsx

※Microsoft の onedrive を利用しています。ブラウザでExcel様式のファイルが開きますので、ツールバーにある「ダウンロード」ボタンでお使いのPCにダウンロードしてください。(Windowsの場合ダウンロードフォルダに保存されていると思います)

ダウンロードしたファイルは「編集を有効」にすれば加工ができます。

 

みなさんの薬局で採用している採用品リストから医薬品コード(9桁数字)を「自店リスト」シートのA列に貼り付ければ一覧「20200401」シートの医薬品コード列に色が付きます(条件付き書式設定をしています)。

医薬品コード列の▼マークで「セルの色で並べ替え」又は「色フィルター」を選択すれば、あなたの薬局の採用品のみの薬価改定リストができあがります。

 

こちらもどうぞ。。。 

pharmalabo.hatenablog.com

 

新型コロナウイルス対策でオンライン服薬指導が前倒しに!!(特例ですが…)

R2年2月28日に厚生労働省の医政局医事課/医薬・生活衛生局総務課の連名による事務連絡が関係機関に通知されました。

 

この事務連絡のタイトルは新型コロナウイルス感染症患者の増加に際しての電話や情報通信機器を用いた診療や 処方箋の取扱いについてとなってます。

 

この事務連絡は2月29日時点では厚労省のホームページにはアップされておらず、「根回し段階」にあるようですが、週明けには三師会(医師会・歯科医師会・薬剤師会)を通じて通達されるのではないでしょうか。

 

実は2月27日に同タイトルの事務連絡が通知された翌日28日に内容を一部修正して再度通知されているようです。

29日現在、一般社団法人日本保険薬局協会のホームページで27日発出版が確認できます。https://secure.nippon-pa.org/mail/img/20200228.pdf

 

これに対し、全日本病院協会のホームページ新型コロナウイルスに関する情報:お知らせ - 全日本病院協会 には28日発出版が掲載されています。

28日版は他に、岩手県のホームページや、高知県薬剤師会のホームページにも掲載されていました。

高知県薬剤師会のホームページに掲載されている通知のあて名は「日本薬剤師会」となっていることから、すでに日薬から各都道府県薬剤師会には28日中に伝達されているのでしょう。皆さんの都道府県ではいつ現場に連絡が来ますかね??

 

事務連絡の内容=オンライン服薬指導の前倒し

で、肝心の内容です。(以下では28日発出版について述べています)

新型コロナウイルス感染症患者の増加に際しての電話や情報通信機器を用いた診療や処方箋の取扱いについて

今般、「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」(令和2年2月 25 日新型コロナウ イルス感染症対策本部決定。以下「基本方針」という。)がとりまとめられたところです。 基本方針を踏まえ、新型コロナウイルスの感染拡大を防止する観点から、慢性疾患等を有する定期受診患者等が継続的な医療・投薬を必要とする場合に、電話や情報通信機器を用いた診療によりファクシミリ等による処方箋情報の送付等の対応が必要なケースがあることから、あらかじめ、その取扱いに関する留意点を別添にまとめましたので、貴管下の医療機関、薬局等に周知していただくようお願いいたします。

との前置きに続き、別添とした文書(タイトルは「慢性疾患等を有する定期受診患者等に係る電話や情報通信機器を用いた診療、処方箋の送付及びその調剤等に関する留意点について」)で、

1.電話や情報通信機器を用いて診療し医薬品の処方を行い、ファクシミリ等で処方箋情報が送付される場合
 
 ・ 新型コロナウイルスの感染拡大を防止する観点から、慢性疾患等を有する定期受診患者等について、当該慢性疾患等に対する医薬品が必要な場合、感染源と接する機会を少なくするため、一般的に、長期投与によって、なるべく受診間隔を空けるように努めることが原則であるが、既に診断されている慢性疾患等に対して医薬品が必要になった場合には、電話や情報通信機器を用いて診察した医師は、これまでも当該患者に対して処方されていた慢性疾患治療薬を処方の上、処方箋情報を、ファクシミリ等により、患者が希望する薬局に送付し、薬局はその処方箋情報に基づき調剤する。
 
 注)処方箋情報のファクシミリ等による送付は、医療機関から薬局に行うことを原則とするが、患者が希望する場合には、患者自身が処方箋情報を薬局にファクシミリ等により送付することも差し支えない。
 
・ ただし、新型コロナウイルスへの感染を疑う患者の診療は、「視診」や「問診」だけでは診断や重症度の評価が困難であり、初診から電話や情報通信機器を用いて診療を行った場合、重症化のおそれもあることから、初診で電話や情報通信機器を用いた診療を行うことが許容される場合には該当せず、直接の対面による診療を行うこと。

・ なお、新型コロナウイルスへの感染者との濃厚接触が疑われる患者や疑似症を有し新型コロナウイルスへの感染を疑う患者について、電話や情報通信機器を用いて、対面を要しない健康医療相談や受診勧奨を行うことは差し支えない。その場合、新型コロナウイルスを疑った場合の症例の定義などを参考に、必要に応じて、帰国者・接触者相談センターに相談することを勧奨することとする。 

順を追って箇条書きにすると、
  1. 新型コロナウイルスの感染拡大を防止する観点から
  2. 慢性疾患等を有する定期受診患者等について、
  3. 当該慢性疾患等に対する医薬品が必要な場合、
  4. 感染源と接する機会を少なくするため、一般的に、長期投与によって、なるべく受診間隔を空けるように努めることが原則であるが、
  5. 既に診断されている慢性疾患等に対して医薬品が必要になった場合には、
  6. 電話や情報通信機器を用いて診察した
  7. 医師は、これまでも当該患者に対して処方されていた慢性疾患治療薬を処方の上、(=慢性疾患の定期処方のこと)
  8. 処方箋情報を、ファクシミリ等により、患者が希望する薬局に送付し、
  9. 薬局はその処方箋情報に基づき調剤する

 つまり、次の要点で電話等診療&調剤を認めます、となっています。

処方箋のFAXは医療機関→薬局を原則とするが、患者の希望があれば医療機関→患者→薬局としてもかまいません。となっていますが、いろいろなトラブルを回避するためにも医療機関→薬局が望ましいと思います。

また、感染を疑う患者の診療はきちんと対面で通常の然るべき診療を行うこととなっています。

 

続いて、医療機関に対する内容として、

2.医療機関における対応
 
・ 新型コロナウイルスの感染拡大を防止する観点から、電話や情報通信機器を用いた診療で処方する場合、慢性疾患等を有する定期受診患者等について、当該患者が複数回以上受診しているかかりつけ医等が、その利便性や有効性が危険性等を上回ると判断した場合において、これまでも当該患者に対して処方されていた慢性疾患治療薬を電話や情報通信機器を用いた診療で処方することは、事前に診療計画が作成されていない場合であっても差し支えないこととする。 

・ 電話や情報通信機器を用いた診療で処方する場合、患者の同意を得て、医療機関から患者が希望する薬局にファクシミリ等により処方箋情報を送付することとして差し 支えない。 

・ 医療機関は、処方箋を保管し、後日、薬局に当該処方箋を送付するか、当該患者が医療機関を受診した際に当該処方箋を手渡し、薬局に持参させる。

・ 医師は、ファクシミリ等により処方箋情報を薬局に送付した場合は、診療録に送付先の薬局を記録すること。

・ 医師は、3.により、薬局から、患者から処方箋情報のファクシミリ等による送付があった旨の連絡があった場合にも、診療録に当該薬局を記録すること。この場合に、同一の処方箋情報が複数の薬局に送付されていないことを確認すること。

  • 今まで複数回(2回以上)診療している、
  • 慢性疾患を有する定期受診患者等について
  • 今まで処方されている慢性疾患治療薬であれば、
  • 事前の電話診療計画がなくても電話診療で処方してもいい

となっていて、さらに処方にあたっては

  • 患者の同意を得て
  • 医療機関から直に薬局にFAXしていい
  • FAXした場合はカルテにFAX先の薬局名を記録しておく
  • 処方箋の原本は後日薬局に送付(郵送とか)するか、(面倒くさいなら)患者経由で薬局に届けさせてもいい
  • 患者が薬局にFAXした場合に薬局から確認の電話があった場合にも、カルテにその薬局名を記録するとともに、患者が複数の薬局で重複して調剤を受けていないことを確認する(不正防止)

となっています。

 

そして、薬局に対する内容として、

3.薬局における対応  

・ 患者からファクシミリ等による処方箋情報の送付を受け付けた薬局は、その真偽を確認するため、処方箋を発行した医師が所属する医療機関に、処方箋の内容を確認する(この行為は、薬剤師法第24条に基づく疑義照会とは別途に、必ず行うこととする)。なお、患者を介さずに医療機関からファクシミリ等による処方箋情報の送付を直接受けた場合には、この確認行為は行わなくてもよい。

・ 医療機関から処方箋原本を入手するまでの間は、ファクシミリ等により送付された処方箋を薬剤師法(昭和 35 年法律第 146 号)第 23 条~第 27 条、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和 35 年法律第 145 号)第 49 条における処方箋とみなして調剤等を行う

・ 調剤した薬剤は、患者と相談の上、当該薬剤の品質の保持や、確実な授与等がなされる方法で患者へ渡し、服薬指導は電話や情報通信機器を用いて行うこととしても差し支えない。また、長期処方に伴う患者の服薬アドヒアランスの低下や薬剤の紛失等を回避するため、調剤後も、必要に応じ電話や情報通信機器を用いて服薬指導等を実施する。

・ 可能な時期に医療機関から処方箋原本を入手し、以前にファクシミリ等で送付された処方箋情報とともに保管すること。

まず、処方せんの取り扱いについて、

  •  処方箋が患家からFAXされた場合は、真偽を確認するため、毎回必ず医療機関に連絡する
  • 医療機関から薬局に処方箋がFAXされた場合はこの確認は不要
  • 処方箋原本入手まではFAXされた処方箋を法定の処方箋とみなしてよい

となっています。調剤した薬剤に関して、

  • 患者と相談のうえ、
  • 品質を保持しつつ確実に交付できる方法で渡す(手段は限定しない)
  • 服薬指導は電話等で行ってもいい
  • アドヒアランス低下や薬剤の紛失などを回避するため、必要に応じ調剤後も電話フォローする(長期処方が前提の話)

処方箋の保管については

  • 医療機関から処方箋原本を入手してFAXされた処方箋と一緒に保管

 となっています。

 

おさらい

一番シンプルなケースを整理すると以下のようになりそうです。

医療機関 患者     電話等で診療し慢性疾患薬をDo処方 「薬局にFAXしておくから、後で薬局にTelしてね」
医療機関   薬局 処方箋をFAX カルテに薬局名を記録
        薬局 FAX処方箋に基づいて調剤
    患者 薬局 薬できてますか?と電話 そのまま電話で服薬指導
    患者 薬局

調剤した薬剤を交付

・配達・宅配便・来局など

    患者 薬局

長期処方の場合必要に応じて電話フォロー

※更に必要に応じて服薬情報をフィードバック

医療機関   薬局 処方箋原本を送付
        薬局 処方箋原本とFAX処方箋を一緒に保管

後は、代金の支払いをどうするかですね。さてどうしましょ。

細かいことを言えば、診療報酬上の扱いには言及されていないので、私は再診料や薬歴管理指導料は普通に算定してもいいんだろうなぁと勝手に解釈しておきます。

 

来週から、皆さんの地域でも電話診療による処方箋が届くかもしれません。

薬局内で段取りを確認しておきたいですね!

 

※ちなみに、お隣の医療機関には電話診療の処方箋には、備考欄に「新型コロナウイルス対策電話等診療による処方」などとコメントを入れてもらうようにお願いしておくとその後がスムーズですよ。(私も週明けにお隣のDr.に説明してお願いする予定です)