調剤薬局業務をExcelで快適に PharmaDataLabo

調剤薬局業務をExcelで効率化しよう

H30年(2018年)4月にGE調剤率70%⇒80%を目指すべきか??

 

前回の記事に引き続き、来年(平成30年)の改定での後発医薬品調剤体制加算に関わる試算をしてみます。 

pharmalabo.hatenablog.com

 

今回は現行で加算2(75%)にもう少しという薬局が、来年4月に80%を目指すべきかどうか、利益の試算をしてみましょう。

 

試算:現行の加算1から80%を目指す場合

 について考えてみます。

試算の前提として、下記の条件を仮定します。

  1. 月間処方せん受付:1500回
  2. 処方せん単価:10,000円
  3. 薬剤料比率:70%
  4. 現在の後発医薬品調剤率:72%
  5. カットオフ値:73%
  6. 後発品薬価/後発のある先発品薬価=30%
  7. (先発でも後発でもない品目+後発のない先発)/後発のある先発品薬価=90%
  8. 薬価改定での影響はないとする
  9. 調剤報酬技術料の改定率も±0%

 

処方せん1枚当たりの後発品薬剤料

 

まずは現状の薬剤料の中身をみる前に、先発品の薬価を基準に薬剤料比率を出してみます。

 

先発でも後発でもない薬品+後発のない先発品:27%(100‐カットオフ値) × 90%(上記7)=0.243(A)

後発品:73%(カットオフ値) × 72%(上記4) × 30%(上記6) =0.158(B)

先発品:73% × 28% = 0.204(C)

 

ということで、金額ベースの比率を求めると

  1. 後発品:0.158÷(0.243+0.158+0.204)=26.1%
  2. 先発品:0.204÷(0.243+0.158+0.204)=33.7%
  3. 先発でも後発でもない:0.243÷(0.243+0.158+0.204)=40.2%

 

 薬剤料の構成比から先発品、後発品の平均薬剤料を求めます

 

 1枚当たり薬剤料 10,000円 × 70%(薬剤料比率) = 7,000円

  1. 後発品薬剤料 7,000円 × 26.1%(上の1)  = 1,827円
  2. 先発品薬剤料 7,000円 × 33.7%(上の2) = 2,359円
  3. 先発でも後発でもない薬剤料 7,000円 × 40.2%(上の3) = 2814円

となります。

 

来年4月までに80%達成したら年間売り上げ800万円ダウン!

 

ここから、後発品調剤を頑張った結果来年4月には後発品調剤率80%を達成したとします。オルメテックやアバプロ、クレストールなど続々と後発品が出てくるのでカットオフ値も75%になったとします。

 

そうすると、数量構成比から薬剤料構成比を求めると

先発でも後発でもない薬品:25%(100‐カットオフ値) × 90%(上記7の薬価比)=0.225(A')
後発品:75%(カットオフ値) × 80% × 30%(上記6の薬価比) =0.18(B')
先発品:75% × 20% = 0.15(C')

 

薬剤料の変化は、

 現行:(A)+(B)+(C)= 0.243+0.158+0.204 = 0.605

来年4月:(A')+(B')+(C')= 0.225 + 0.18 + 0.15 = 0.555

 0.555 ÷ 0.605 = 91.7%

 

薬剤料は、7,000円 × 91.7% = 6,421円 (8.3%減) となります。

 

つまり、処方せん1枚単価が 薬剤料の減少分(7000円‐6421円=579円)だけ下がってしまいます

 

これに対し、後発医薬品調剤体制加算の増額分

30点(推定) - 18点(現行加算1) = 12点(120円)

にとどまります。

 

つまり、売上としては処方せん1枚当たり

 120円(加算増) - 579円(薬剤料減) = △459円

 月間 △459円 × 1500枚 = △688,500円

 年間  △688,500円 × 12か月 = △8,262,000円

となります。

 

利益を考えると

薬剤料の薬価差益について、先発品と先発でも後発でもない品目の薬価差益を15%、後発品の薬価差益を25%と仮定してみると、

 

  • 現行先発品などの差益:(A+C)÷(A+B+C) × 15% = (0.243 + 0.204)÷(0.243+0.158+0.204) x15% = 0.447÷0.605×15% = 0.1108
  • 現行後発品の差益:(B)÷(A+B+C) × 25% = 0.158 ÷ 0.605 ×25% = 0.0653
  • 薬価差益:7000円 × (0.1108+0.0653) ≒ 1233円

一方、来年4月80%達成の場合の差益は、

  • 先発品などの差益:(A'+C')÷(A’+B’+C’) × 15% = (0.255+0.15)÷(0.255+0.18+0.15)×15% = 0.405 ÷ 0.585 × 15% = 0.1038
  • 後発品の差益:(B')÷(A’+B’+C’) × 25% = 0.18 ÷ 0.585 ×25% = 0.0769
  • 薬価差益:6421円 × (0.1038+0.0769) ≒ 1160円

となるので、加算の増額と合わせると処方せん1枚あたり、

120円(加算増) - 1233円(現行薬価差益) + 1160円(80%達成差益) = 47円

の増益となります。

月間 47円 × 1,500枚 = 70,500円

年間 70,500円 × 12 =846,000円

の増益となります。

 

頑張って80%達成しても月間たったの7万円しか利益になりません

これじゃ頑張る意味がない!と思いますよね。

それでは、80%達成を諦めた場合はどうなるでしょうか。

 

単純に、今まで算定していた後発医薬品調剤体制加算1の18点がなくなりますので

 

月間 180円 × 1,500枚 = 270,000円

年間 270,000円 × 12 = 3,240,000円

 

諦めたら324万円の利益減となります。

つまり、80%行くと行かないとでは

846千円(80%達成した場合)増益 - 3,240千円(諦めた場合)減益 =4,086千円 の利益差が出ます 

 

やはり、80%を目指すべきでしょう。

ただし、80%目指して頑張ったけど79%ちょっとが限界だったというのが最悪のシナリオでしょう。

 

ざっと考えると、

△180円(現行加算がなくなる) - 1233円(現行薬価差益) + 1160円(後発率80%の薬価差益) = △253円

 

年間 △253円 × 1500枚 × 12か月 = 4,554千円 の差益減となってしまいます。

 

80%を目指すからには何としても達成したいところですね。

 

ところで、このブログはExcelをテーマにしているのを思い出しました。近いうちに、今回のシュミレーションをExcelシートで行う方法を紹介しますね。

 

 

H30年(2018年)の改定では後発品調剤加算は「80%以上」のみに!!

 

H30年1月24日に個別改定項目について中医協で議論され資料が厚労省のホームページに公開されました。

後発医薬品調剤体制加算は3段階ということなりました❗️近日関連記事を掲載予定ですが、このページは数字の扱い方の参考にご覧頂ければ嬉しいです。

(H30.2.12追記)こちらのページで改定内容について解説いたします!

薬局長目線の解説:2018年(平成30年)診療報酬改定内容が決定!! - 調剤薬局業務をExcelで快適に PharmaDataLabo

========================================================================

 

秋になり来年の改定に向けて、中医協での議論が活発になってきていますね。

 

次の調剤報酬改定では、薬局機能による調剤基本料の区分化やかかりつけ薬剤師指導料の要件見直しなどが取り沙汰されていますが、今回は、後発医薬品調剤体制加算について考えてみたいと思います。

 

国は欧米並みのジェネリック普及率である「80%」を掲げて、2020年度には達成するとの閣議決定に基づき議論されています。

 

現状は昨年4月の改定で65%、75%の2段階で加算が設定されていますが、来年の改定では80%の一本化になりそうとの話です

(※H30.1月追記:2段階が維持されるかもしれません。詳しくはこちら→

2018年(平成30年)診療報酬改定率が決定! - 調剤薬局業務をExcelで快適に PharmaDataLabo

そもそも診療報酬とは、医薬分業に始まる国の政策誘導を実現するためのインセンティブという面が大きい(つまり馬の目の前にニンジンをつるすようなもの)のですが、加算が設けられるのは国の目標である80%を達成できるまで、と考えるのが賢明でしょう。

 

となると、次回2018年の改定で後発医薬品調剤体制加算の要件は80%のみとなり、2020年に国の目標を達成できたとするともう加算の設定は終わり、となる可能性が大きい、つまり、同加算の恩恵を受けられるのもあと2年半ということです。

 

そこで今回は、今から頑張れば来年4月に80%をクリアできそうな薬局が、本当に後発品を頑張った方がいいのか、先発品での売り上げ増を確保した方がいいのかを考えてみます。

 

後発医薬品調剤体制加算の点数は?

 

現在65%で18点、75%で22点の点数が設定されていますが、過去の改定での点数の変遷は次のようになっています。

f:id:ashomopapa:20170913205738p:plain

次の改定では80%のみとなるということなので点数は25~30点くらいになるのではないでしょうか。

国は何としても80%という目標をクリアしたいので、65%(18点)も廃止するし、とにかく点数を高くしてでも薬局に頑張ってもらいたいのです。

 

ということで、次回改定で後発医薬品調剤体制加算は「30点」になると仮定して試算をしてみます。

 

 

sponsored Link

 

 

 

試算:現行の加算2から80%クリアの場合

追記:Excelで試算するためのシート作成についてはこちらの記事をどうぞ

Excelで後発品医薬品調剤体制加算を試算する方法 - 調剤薬局業務をExcelで快適に PharmaDataLabo

 

 

試算の前提として、下記の条件を仮定します。

  1. 月間処方せん受付:1500回
  2. 処方せん単価:10,000円
  3. 薬剤料比率:70%
  4. 現在の後発医薬品調剤率:76%
  5. カットオフ値*1:67%
  6. 後発品薬価/先発品薬価=30%(私の薬局での計算値)
  7. 先発でも後発でもない品目の薬価/先発品薬価=90%
  8. 薬価改定での影響はないとする
  9. 調剤報酬技術料の改定率も±0%

 

処方せん1枚当たりの後発品薬剤料

 

まずは現状の薬剤料の中身をみる前に、先発品の薬価を基準に薬剤料比率を出してみます。

 

先発でも後発でもない薬品:33%(100‐カットオフ値) × 90%(上記7)=0.297(A)

後発品:67%(カットオフ値) × 76% × 30%(上記6) =0.153(B)

先発品:67% × 24% = 0.161(C)

 

ということで、金額ベースの比率を求めると

  1. 後発品:0.153÷(0.297+0.153+0.161)=25.0%
  2. 先発品:0.161÷(0.297+0.153+0.161)=26.4%
  3. 先発でも後発でもない:0.297÷(0.297+0.153+0.161)=48.6%

 

 薬剤料の構成比から先発品、後発品の平均薬剤料を求めます

 

 1枚当たり薬剤料 10,000円 × 70%(薬剤料比率) = 7,000円

  1. 後発品薬剤料 7,000円 × 25.0%(上の1)  = 1,750円
  2. 先発品薬剤料 7,000円 × 26.4%(上の2) = 1,848円
  3. 先発でも後発でもない薬剤料 7,000円 × 48.6%(上の3) = 3,402円

となります。

 

来年4月までに80%達成したら

 

ここから、後発品調剤を頑張った結果来年4月には後発品調剤率80%を達成したとします。オルメテックやアバプロ、クレストールなど続々と後発品が出てくるのでカットオフ値も70%になったとします。

 

そうすると、数量構成比から薬剤料構成比を求めると

先発でも後発でもない薬品:30%(100‐カットオフ値) × 90%(上記7の薬価比)=0.27(A')
後発品:70%(カットオフ値) × 80% × 30%(上記6の薬価比) =0.168(B')
先発品:70% × 20% = 0.14(C')

 

薬剤料の変化は、

 現行:(A)+(B)+(C)= 0.297+0.153+0.161 = 0.611

来年4月:(A')+(B')+(C')= 0.27+0.168+0.14= 0.578

 0.578 ÷ 0.611 = 94.6%

 

薬剤料は、7,000円 × 94.6% = 6,622円 (5.4%減) となります。

 

つまり、処方せん1枚単価が 薬剤料の減少分(7000円‐6622円=378円)だけ下がってしまいます

 

これに対し、後発医薬品調剤体制加算の増額分

30点(推定) - 22点(現行) = 8点(80円)

にとどまります。

 

つまり、売上としては処方せん1枚当たり

 80円(加算増) - 378円(薬剤料減) = △298円

 月間 △298円 × 1500枚 = △447,000円

 年間  △447,000円 × 12か月 = △5,364,000円

となります。

 

利益を考えると

薬剤料の薬価差益について、先発品と先発でも後発でもない品目の薬価差益を15%、後発品の薬価差益を25%と仮定してみると、

 

  • 現行先発品などの差益:(A+C)÷(A+B+C)×15% = (0.297+ 0.161)÷(0.297+0.153+0.161)x15% = 0.458 ÷ 0.611×15% =0.112
  • 現行後発品の差益:(B)÷(A+B+C) × 25% = 0.153 ÷ 0.611 ×25% = 0.063
  • 薬価差益:7000円 × (0.112+0.063) ≒ 1,225円

一方、来年4月80%達成の場合の差益は、

  • 先発品などの差益:(A'+C')÷(A'+B'+C')×15% = (0.27+0.14)÷(0.27+0.168+0.14)×15% = 0.41 ÷ 0.578 ×15% = 0.106
  • 後発品の差益:(B')÷(A'+B'+C')× 25% = 0.168 ÷ 0.578 ×25% = 0.073
  • 薬価差益:6622円 × (0.106+0.073) ≒ 1,185円

となるので、加算の増額と合わせると処方せん1枚あたり、

80円(加算増) - 1,225円(現行薬価差益) + 1,185円(80%達成差益) = 40円

の増益となります。

月間 40円 × 1,500枚 = 60,000円

年間 60,000円 × 12 =720,000円

の増益となります。が、後発品の在庫管理コストや患者への案内などの手間が増えることも考慮しなければいけません。

 加算の増額が1~2点程度であれば、コストの方が大きくなる可能性もあるので、見極めが重要になりそうですね。

 

後発品調剤率を4%上げると薬価差益が1枚当たり40円減額となりましたので、単純に考えて後発品調剤率を22%下げると薬価差益を220円増額できるとしたら、加算2がなくなっても利益は変わらないということになりそうです。

でも76%から54%にするのもなかなか難しそうですね。

 

その他、前提とした条件のところを皆さんの薬局の現状を当てはめてみて下さい。 

 

次回は、 

試算②現行の加算1から80%を目指す場合

 について考えてみます。

 

*1:全調剤に占める後発品+後発品のある先発品の割合

分包紙のお値段知ってますか?

 

ようやく朝晩涼しくなってきましたね。

 

今回は在宅調剤には欠かせない、分包紙のコストについて考えてみましょう。

 

私の薬局ではタカゾノの分包機を2台(散剤用と錠剤自動分包用)使用しています。

 

分包紙は伝票を見れば1巻 約6500円(税込)なのですが、1巻の巻数(m)はどこにも表示されていません。
型番にある「20M」という文字から20mかとも思ったのですがそれではあまりにも高すぎるし、実際の交換頻度と合わなすぎでした。

 

通常1包80mmで分包してるので、20mだと

20(m) ÷ 80(mm/包) = 250(包) 

250包しか分包できなかったら、分3で30日分(=90包)だと3人分も分包できないことになってしまいます。

 

ホームページやAmazonなどのショッピングサイトの製品情報にも巻数は掲載されていないのでどうしようかと思ってました。

そんな時にメンテナンスでタカゾノのサービスマンが来てくれ、ついでに1巻何mか聞いてみました!

 

現在はだいたい270mくらいだそうです。

原油価格の上下を巻数で調整して、納入価を据え置くために原則巻数はどこにも明記しないそうです。

 

ようやく1包の価格を計算できます。

270(m) ÷ 80(mm/包) = 3375(包)

6500(円) ÷ 3375(包) ≒ 1.9(円/包)

となります。

 

分3で30日分だと、1.9 × 90 = 171円 のコストとなります。

実際には分包開始までに10包程度の空包が生じますので、+20円 と思っておくといいでしょう。

 

分包紙のサイズを、80mm、60mmなど切り替えることもあるでしょう。

60mmの場合は、

 6500(円) ÷ 270(m) × 60(mm) =1.4(円/包) となります。

 

 

在宅や施設の調剤をしていると、一包化の際に服用日を印字することもありますが、「日付が数日ずれた」くらいで全包を分包し直しとする前に、手間とコストがどの程度かをよく考えるといいでしょう。

分包の頭の方か、お尻の方の日付を手書きで修正すれば足りることもよくあります。

 

実際には、インクリボンのコストもかかってきますが、インクリボンの巻数(m)も情報が入ってきたら紹介しますね。

 

オルメテックとクレストールの後発品が出るとGE調剤率はどうなるか?

 

いよいよ9月に大型AG(オーソライズジェネリック)が発売されることが決まりましたね。

そう、その品目は、

  • オルメテック(錠・OD錠)(5・10・20・40mg)
  • クレストール(錠・OD錠)(2.5・5mg)

 

皆さんの薬局ではこれらの使用数量はどれくらいありますか。

続きを読む

アキレス腱を日焼けして分かったこと

 

久しぶりなのに、ちょっと小噺。

 

先日、息子が所属する中学野球部の練習試合の塁審を務めたときのこと。

 

その日は2試合の予定で、どちらも通しで塁審をやることになりました。(平日の試合でお父さんが3人しかいなかったので)

 

1試合目はずっと曇り空だったので良かったのですが、2試合目は時々強めの日射しが出てきました。しかも、後ろから!

 

日焼け止めは一応塗っていたものの、ふくらはぎまではそんなに丁寧に塗っていなかったので夕方家に着いた頃には真っ赤っか!

勿論ヒリヒリ。

 

そして、ここからがなかなかキツかったのですが、立ち上がってそのまま立っているとふくらはぎから足首にかけて、足がパンパンになるような痛みが襲ってくるのでした。

 

立った時に重力に従って血液が体の下部に溜まろうとしているのが、よ〜く分かった出来事でした。

登録販売者試験最強対策サイト

 

お待たせしました!!

以前、登録販売者試験の対策は1・4・5章から!という記事を掲載しましたが、ようやく専用サイトを作りました。

こちら ↓ (すみません、東海地区限定です)

pharmalabo-touhan.hatenablog.com

 

まずは、過去8年間の出題傾向を章別に概要として紹介し、4章、5章の詳細についてを紹介していく予定です。

受験予定の皆さん、頑張ってください。

最大使用量の求め方

 

最近の在庫管理システムでは、「最も使用した1日の使用量」を発注点に設定するかどうかを選択するものもありますが、〇日間の最大使用量を求める機能は恐らくついていません。

 

今回は「〇日間の最大使用量」を求める方法についてです。

 

例によって、レセコンから日ごとの薬品使用量、または使用患者ごとの薬品使用実績などをCSV出力します。

続きを読む

適切な発注点の管理方法

 

皆さんの薬局では発注点を誰がどのように設定したり、管理されていますか?

 

よくあるパターンは

  1. カレンダーに来局予定者を書き込む
  2. 空箱発注
  3. 在庫管理システムのABC分析機能を利用する
  4. 薬品使用実績などから割り出す

などでしょうか。

 

それでは、それぞれの方法について見ていきましょう。

続きを読む

YJコードをデータベースで利用する方法

調剤に関わるデータを効率的に最大限利用するには、調剤薬の各種コードとそれを扱うための関数を理解する必要があります。

 

今回は各種コードの意味と特徴について紹介します。

 

各種コードの意味と特徴

YJコード

(12桁=7桁数字+英1字+4桁数字)

別名:個別医薬品コード、販売名コードなど

薬価収載されている全ての医薬品についてユニーク(重複がない)に割り当てられるコード 

  • 初めの4桁は厚労省の薬効分類番号
  • 次の3桁で成分名まで決まり、
  • 英文字は剤形で大まかに分けられる
  • 次の1桁で規格
  • 次の2桁で各ブランド(銘柄名)
  • 最後の1桁はチェックデジット

薬価収載コード

(12桁=7桁数字+英1字+4桁数字)

別名:厚労省コードなど

見た目はほぼYJコードと同じだが、銘柄(販売)名が官報告示されず統一名収載されているものは、販売名が違っても同じ薬価収載コードが付与されています。したがってこれらの品目は 「YJコード≠薬価収載コード」となります。

「≠」と言いましたが、12桁のコード全てが違うわけではなく、最後の3桁(ブランドを表す2桁+チェックデジット1桁)に相違があります。逆に言うと頭からの9桁(9文字)は一緒なのです。

 

続きを読む

Excel Tips チョコっと小技②施設患者の服薬管理用ラベルの作成

今回は気軽な感じで行きますね。

私の薬局では数軒の介護施設の服薬管理を担当しているのですが(いわゆる居宅療養管理指導ってやつです)、誤薬を防止するために原則全ての内服薬を一包化して、患者氏名、用法、服用日(曜日)、薬品名などを印字しています。

これらは分包機のコントロール用PCで予め印字内容を設定しておけばだいたいOKです(日付はその都度服用開始日を登録)。しかし、食前服用の漢方薬や、1日1回貼り替えのパッチ剤やテープ剤(イクセロンパッチとかフランドルテープとか…)、はたまた1回吸入分をセットして使用する吸入薬(オンブレス、ウルティブロとか…)などについても、患者氏名と使用日付を分かるようにして欲しいと依頼されることが多いです。

 

ちょっと面倒な気はしますが、患者さんのコンプライアンスや安全を考えれば、「仕方ない、やるか」と思うようにしてます。

 

では、実際にどうするか、ですが、ぱっと思いつくのは

  • 市販のラベルシールと専用ソフトを利用する
  • Excelでラベルのように表を作成し、印刷して、切って貼る

あたりでしょうか。

 

ラベルシールは日付に難あり

全てのラベル印刷のソフトを確認したわけではありませんが、印刷ソフト上で使用開始の日付を入れればあとの日付が1日ずつ増える、という機能が見つかりません。

これでは使用日を全て手入力しなければなりませんし、月1回30日分ずつ調剤しているとすると、毎月30日分を修正登録する必要があります。

ということで、ラベルシールは日付管理が必要な場合には不向きです。

 

Excel で表を作れば楽ちん

一方Excelで表を作成しておけば、使いまわしがきくし、日付についても最初の1日だけ入力すれば残りが1日ずつ増えていくようになんて簡単です。

 

では、さっそく作ってみましょう。

今回は「日本太郎さん」の毎食前の漢方薬を8月1日スタートで28日分くらいまで作れればいいかな、という感じで作成を始めてみます。

 

f:id:ashomopapa:20170715114558p:plain

名前と日付と用法(朝食前、昼食前、夕食前)のうち一つを入力しました。

※ここでポイント!

上図で「8月1日」と入力する際、くそ真面目に「8月1日」とキーボードから打ってはいけません。Excelは賢いので、ある規則に従い数字を入力すると自動で日付に変換してくれるのです。
IMEが日本語入力モードなら「8-1」、英数モードなら「8/1」と入力しEnterで確定するとExcelが自動的に日付が入力されたと判断して、「8月1日」と変換してくれます。それを確認するためには当該セル(この場合A2セル)を選択して、数式バーを見ると「2017/8/1」となっていればExcelが日付として処理したということです。

f:id:ashomopapa:20170717150558p:plain

 

次に日付の表示を変えてみましょう。

A2セルを選択し、リボン>ホームタブ>数値グループの右下の□をクリックすると、セルの書式設定ウインドウが開き、表示形式タブが選択されています。

f:id:ashomopapa:20170717151658p:plain ※この□をクリック

f:id:ashomopapa:20170717151752p:plain

分類欄の「日付」を選択すると種類欄に日付の表示形式が選択できるようになっていますので、お目当ての表示形式を選択してOKを押します。

お目当ての物がない場合は、分類欄で「ユーザー定義」を選択することでお目当てのものを見つけるか、表示形式を自分で定義(作る)ことができます。

ここでは「8/1 火」と表示したいとすると、

f:id:ashomopapa:20170717152810p:plain

上図のように種類欄のテキストボックスに「m/d aaa」と入力します。サンプル欄に実際にどのように表示されるかがサンプル表示されますので確認します。

※m:月(month)を1~12で表示、d:日(day)を1~31で表示、aaa:曜日を1文字で表示

 

セルの体裁を整える

次にセルの体裁を整えましょう。A1・B1セルを結合し、A列、B列の列幅を整え、罫線を描いたり、文字を中央に配置したり、セルの高さを調整して見栄えを整えます。

セルの高さが決まったら、1~2行目全体を選択し、左下のフィルハンドル■を下に2行分ドラッグします。こうすることでセルの高さを含めてコピーすることができます。

f:id:ashomopapa:20170717175108p:plain
そしてドラッグした結果がこちら

f:id:ashomopapa:20170717180239p:plain
このように、セルの高さも含めてコピーできました。

この操作では、Excelの機能によって日付も1つ増えていますが、これでは後々の使い回しが利かないので、A4セルを選択し次の計算式を入力します。

 =A2+1

f:id:ashomopapa:20170717180855p:plain f:id:ashomopapa:20170717180826p:plain

計算式を入力したら、先ほどと同様に3~4行目全体を選択し、左下のフィルハンドルを下方向にドラッグします。(週単位で管理することが多いのでここでは14日分となるように28行目までドラッグします)

f:id:ashomopapa:20170717175139p:plain こんな感じになります。

 

次に右方向に表を増やしていきましょう。

A・B列全体を選択し、右上に表示されるフィルハンドルを右方向に10列分(L列まで)ドラッグします。

f:id:ashomopapa:20170717182235p:plain

ドラッグすると、こんな感じになります。↓

f:id:ashomopapa:20170717182306p:plain

列の幅も含めてコピーされていることが分かります。

 

あともう少し!

 

 あとは、日付に関わる計算式を作るのと、用法の文字を整えましょう。

用法は朝食前、昼食前、夕食前の3種類なので、Excelの「置換」機能を利用して用法を入力します。

D列を選択し、Ctrlを押しながらJ列も選択します。
リボン>ホームタブ>編集グループ の 「置換」を選択します。

f:id:ashomopapa:20170717201910p:plain

開いたウインドウで、検索する文字列に「朝食前」と入力し、置換後の文字列に「昼食前」と入力して、「すべて置換」を押すと選択した範囲の「朝食前」という文字列が「昼食前」という文字列に置き換えられます。

f:id:ashomopapa:20170717201942p:plain

 

同様にして、F列とL列を選択し、「置換」ウインドウを起動し、今度は検索する文字列は「朝食前」のまま、置換後の文字列に「夕食前」と入力し、「すべて置換」を押します。これで用法が朝食前、昼食前、夕食前となりました。

f:id:ashomopapa:20170717202930p:plain

置換ウインドウは「閉じる」で閉じます。

 

日付は1か所だけ変更すればその日付に応じてすべてが変更されるようにするのがいいので、A2セルに日付を入れればほかのセルの日付がそれに応じて変更されるようにします。

まず、C2セルとE2セルを選択して、

 =$A2

と入力し、Ctrlキーを押しながらEnterで確定します。すると、どちらのセルにもA2セルと同じ日付が表示されます。

f:id:ashomopapa:20170717203834p:plain

次は、G2、I2、K2のセルを選択し、

 =$A2+14

と入力してCtrlを押しながらEnterで確定すると、A2セルの日付+14日(この場合8月15日)の日付が表示されます。

f:id:ashomopapa:20170717204744p:plain

 

これで28日分の朝昼夕のラベルができました。

最後に、印刷プレビュー画面で余白を調整し、「シートを1ページに印刷」を選択したりして、出来栄えを調整すれば完了です。

 

名前を付けて保存します。ファイル名は患者さんの氏名と用法とすると分かりやすいです(この場合、「日本太郎様 毎食前」という感じ)

 

使い回すときは、用法を置換した時と同じ要領で表全体を選択してから患者氏名を置換して、名前を付けて保存しなおします。

 

気楽な感じでと思っていましたが、意外に長くなってしまってビックリしていますが、初めの表だけしっかり作れば使い回しが利いてとっても楽ちんですので、ぜひ試してみてください。