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GE調剤率算出の落とし穴⁉

 

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調剤報酬改定後、4月から後発医薬品調剤体制加算を算定するためにはこの1~3月の実績で要件をクリアすることが必要になりますが、前回の記事でも触れたように「2段階の要件を維持」になる可能性があります。

 

その場合、現行の65%、75%から10ポイントずつ上昇して75%、85%になるかもしれません。80%を超えてからの2~3%アップって相当キツいんですけどね。。。

 

そんなこんなで、私もさっそくどの品目を後発にしようかと検討を開始しました。

9月から12月までは後発への切り替えを我慢していた「オルメサルタン」「ロスバスタチン」を、12月中旬から切り替え始めましたが、それまでのオルメテック使用者(使用量)の85%にギリギリ足りるくらいまでしか切り替えられそうになく、今まで使用量が少ないため後発品の採用をしていなかった品目を後発に切り替えないといけないことが判明しました。

 

今回は、4月から後発医薬品調剤体制加算を算定するためのいろいろを考えてみます。

 

85%クリアに必要な置き換え数量の算出

 

各社のレセコンの集計機能で「後発医薬品調剤率」を確認していることと思いますが、この集計は「〇月~〇月の実績では後発医薬品調剤率は何%?」を知るための集計となっています。

 

ここでは、この集計にある数字を基に目標とするGE調剤率をクリアするために必要な先発品→後発品への置き換え数量を求めてみましょう。

 

レセコンにより集計様式は異なりますが、どの様式でも必ず

  • 後発品がある先発品の調剤数量(A)
  • 後発品(B)

という数字があるはずです。

GE調剤率=B ÷(A+B) で計算されています。

 

そこで、GE調剤率=85%、必要な置き換え数量を X とすると、

85% = ( B + X )÷( A + B ) となりますので、

X = 0.85 × ( A + B )- B で計算されます。

※置き換えしても全体の調剤数は変わりませんので分母の( A + B )はそのまま

 

私の薬局の数字を当てはめてみると

A = 96,305

B = 386,278

現行GE調剤率=80.04%

X = 23,917(A の 約25%)となります。

 

さて、ここからが問題ですよね!後発希望の患者さんにはほぼほぼ後発品で調剤しているつもりなので、4分の1を変えるとなるとなかなか大変そうです。

 

GE調剤率に影響するもの。。。?

 後発品に置き換えする候補を検討するために、A(先発品) の薬品別内訳を帳票を出力してみました。

この集計表の中で、数量が大きく、使用人数が少なめなものほど置き換え効率がいいということになります。

 

ただし、GE調剤率の算出には「健康保険に関わるもの」を算出するルールとなっているため、自費、自賠責、労災に関わる調剤はもちろん、生活保護やその他公費のみの調剤分は集計から除外されることになっています。

※各社レセコンでは、患者の保険番号で判別しているはずです

 

生活保護の患者さんに一生懸命ジェネリックを勧めても、調剤報酬上は全く評価されない仕組みって、どうなんでしょうね??

 

あとは、先発品だけど後発品より同額か安いもの、後発品だけど先発品より同額か高いものはどちらも集計から除外されます。

 

GE調剤率算出の落とし穴が!!

 A(先発品) の薬品別内訳の帳票を手に1品目ずつざっと見直してみたのですが、なんだか違和感を覚えたのです。

「この品目って後発あったっけ?」

 表を上から順に見ていくと、

などが、後発ありの先発品として集計されています。

 

その理由は厚労省のホームページにありました。

このページの下の方に、

後発医薬品の数量シェア(置換え率)

  =〔後発医薬品の数量〕/(〔後発医薬品のある先発医薬品の数量〕+〔後発医薬品の数量〕)
  =〔3で分類される品目の数量(★を除く)〕/(〔2で分類される品目の数量(☆を除く)〕+〔3で分類される品目の数量(★を除く)〕)

という記載があり、ここでいう2で分類される品目とは

2:後発医薬品がある先発医薬品(先発医薬品と後発医薬品剤形や規格が同一でない場合等を含む。ただし、全ての後発医薬品が経過措置として使用期限を定められている場合を除きます。後発医薬品と同額又は薬価が低いものについては、「☆」印を付しています。)

となっています。

 

つまり、アルファロール内用液は同成分の錠剤やカプセル剤が後発品にあるから、パキシルCR錠は普通錠の後発品があるから、ペンタサ顆粒94%はメサラジンの錠剤や50%細粒の後発品があるから、ポリフル錠は細粒なら後発品があるから、ということでそれぞれ「後発品のある先発品」となっているということのようです。

レセコンメーカー各社はこのページにあるリストを基に後発品に関するデータベースを作成していると思われるので、上記のような品目が分母に入ってきているのです。

 

現場薬剤師としては、後発に変えようがないのに何やねんそれ!ですよね。

 

とはいえ、メコバラミン錠や、アセトアミノフェン錠・細粒、バイアスピリン腸溶錠など後発品しかないような品目もあるので仕方ないような気もしてきました。

 

とにかく現場では、できることをどれだけ頑張るかしかないので、後発品採用を増やすことと、先発品希望の患者さんに改めて後発品への変更について聞いてみるしかないですね。