調剤薬局業務をExcelで快適に PharmaDataLabo

調剤薬局業務をExcelで効率化しよう

オルメテック・クレストールのジェネリック採用で悩むこと

 

sponsored Link

 

AGと他のGEで薬価差益はどれくらいの差があるの??

 

東海地区で登録販売者試験の合格発表と試験問題の公開があったので、そちらの方に手がかかっていて、随分間があいてしまいました。

 

9月にオルメテックとクレストールのオーソライズジェネリック(AG)が第一三共エスファから発売されて1ヶ月半が経ちました。

皆さんの薬局では、もうAGを採用されましたか?

 

まだという薬局では、AGを採用すべきか12月に発売される他メーカー製品を採用すべきかで悩んではいませんか?

 

私の薬局では自動錠剤分包機を使用していて、オルメテック錠20mg、オルメテック錠10mg、オルメテックOD錠40mg、クレストール錠2.5mgの4製品用のカセットがあります。

また、後発医薬品調剤率は80%を超えていて、オルメテック・クレストールのGEを採用しなくても75%以上はキープできます。

 

そんな状況なので、9月のAGの採用は見送って様子を見ているのですが…第一三共第一三共エスファの「圧」が鬱陶しいのです。。。

そして、オルメテック錠10mgの在庫がそろそろ尽きそうで、オルメテックOD錠10mgに変更するか、AGに変更するかの決断をしなければならなくなってきたのです。

 

また、広域の病院からの患者さん(2名)にクレストールOD錠が処方されているのですが、卸から分割購入したいのですが、取引のある卸では取扱品目にありません(-_-;)

ジェネリックを1つ採用しておけば、普通錠でもOD錠でもどちらでも対応できるしなぁ。。。という状況でもありました。

 

ということで、しっかり考えてみました!!

 

ポイントは2つ。

  • 分包機のカセットがそのまま使えるか
  • 薬価、薬価差益はどうなるか

です。採用検討するGEは、第一三共エスファ(AG)、東和薬品沢井製薬の3つに絞って考えます。

 

カセットについて

 

カセットについては錠剤の大きさが課題となります。結果から言うと

 

オルメテック錠10mg

 =オルメサルタンOD錠10mg「サワイ」

 ≒オルメサルタンOD錠10mg「DSEP」

 

オルメテック錠20mg

 =オルメサルタンOD錠20mg「サワイ」

 ≠ オルメサルタンOD錠20mg「DSEP」、「トーワ」

 

オルメテックOD錠40mg

 =オルメサルタンOD錠40mg「DSEP」

 ≒ オルメサルタンOD錠40mg「トーワ」

 

クレストール錠2.5mg

 =ロスバスタチン錠2.5mg「DSEP」

 ≒ ロスバスタチン錠2.5mg「サワイ」、「トーワ」

 

沢井製薬のオルメサルタンOD錠は、オルメテックの普通錠と同じサイズでした。

 

 

薬価と薬価差益について

さて、メインです。

薬価を考えることは、売上と患者負担を考えることにつながります。

薬価差益をテーマにしているブログを見かけますが、的を射ているブログは見かけません。それは、薬剤料の算出方法について触れていないからです。

 

正しい薬価差及び薬価差益を求めるためには、薬剤料の算出が欠かせません。

 

 薬剤料の算出方法。。。

 

薬剤料の計算は、四捨五入ならぬ「五捨五超入」というルールで計算されます。

各薬剤の「1日分の錠数x薬価」を剤ごとに小計し、1円の位を「五捨五超入」して10円単位にして、処方日数をかけたものが薬剤料となります。

 

つまり、例えば1日1錠で単剤処方として

 

  • オルメテック錠5mg(@31.5円)⇒30円/日
  • オルメサルタンOD錠5mg「DSEP」(@15.6円)⇒20円/日

となります。

 

薬価は半額でも、患者負担は「3分の2」になるんです!!

知ってましたか?

 

また、後発品の薬価は同時収載品目が多いと安くなるルールがあり、第一三共エスファのAGは先発品薬価の5割、12月発売の他メーカーは一律先発品薬価の4割となります。

 

したがって、東和薬品沢井製薬のオルメサルタンOD錠5mgの薬価は

 31.5円 x 0.4 = 12.6円

となる見込みです(若干の上下はあるかもしれません)。そうすると、

 

  • オルメサルタンOD錠5mg「サワイ」(@12.6円)⇒ 10円/日

となります。患者負担は「3分の1」です。

 

薬価差益は?

 

次に薬価差益を考えましょう。

薬価差益 = 薬剤料 - 薬価 x 仕入れ

と表すことができます。

仕入率は薬局によってさまざまでしょうが、一般的に先発品の仕入れ率より、GE専門卸からの仕入れ率の方が低いと言えますので、先発品、第一三共エスファ、東和薬品沢井製薬の製品の仕入れ率をそれぞれ85%、85%、75%としてみます。

  • オルメテックOD錠5mg=30円ー31.5円x0.85=3.2円/日
  • オルメサルタンOD錠5mg「DSEP」=20円ー15.6円x0.85=6.7円/日
  • オルメサルタンOD錠5mg「サワイ」=10円ー12.6円x0.75=0.6円/日

五捨五超入のマジックのおかげで薬価差益の逆転現象が起きるのです!!

 

薬価差益で考えれば、オルメテックの5mgを扱っている薬局は、1日でも早く第一三共エスファのAGを採用することをお勧めします

仕入れ率が良いからと12月発売のGEを採用するのは間違いです!

 

次回の記事で、オルメテック、クレストール全規格での薬価差益について検証しますね。