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ケアマネアンケートの集計と解析《考察》①

 

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ケアマネアンケート<ケアマネと薬剤師と居宅療養管理指導>

居宅療養の患者さんの残薬解消についてのケアマネージャーの認識を明らかにするためのアンケートの作成~考察までを考えるシリーズの最後です。

 

さて、いよいよアンケート結果を考察していきます。

 

考察にはピボットテーブルを利用します。

回答を転記したテーブルが、Excelの「テーブル」にしていない場合は、テーブル範囲のセルを一つ選択し、「挿入」タブの「テーブル」にてExcelの「テーブル」としておきましょう。

 

 

回答を転記したテーブルの中のセルを一つ選択し、「挿入」タブの「ピボットテーブル」をクリックします。

<ピボットテーブルの作成>ダイアログが開きますが、今回はそのまま「Enter」を押しましょう。そうすると新しいシートが挿入され、ピボットテーブルが追加されます。

 

考察のストーリー

まず回答者の属性(所属施設・勤務年数)を示して、実情として居宅療養管理指導についての認知を確認します。

次に、薬剤師との関わり度合について、属性などごとに確認。

そして、残薬解消のための 方法とその結果について確認。

最後に、薬剤師に期待されていることを考察します。

 

目次

 

回答者(ケアマネージャー)の属性

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※ピボットテーブルの「行」フィールドに1-1)勤務施設、「列」フィールドに1-2)経験年数、「値」フィールドに「seq」をそれぞれドラッグ
※値の集計方法を「個数」に変更
※ピボットテーブル表の行ラベル、列ラベルを上図のように上書きすると見やすくなる

①居宅介護支援事業所と②地域包括支援センターに所属するケアマネを「地域ケアマネ」、③~⑤に所属するケアマネを「施設ケアマネ」と呼ぶことがあります。
施設ケアマネは、自分の所属する介護施設の利用者のみがケアマネージメントの対象者となります。

 

このままでは「割合」が把握しづらいので、まず勤務施設別に、次に勤務施設ごとの経験年数別の割合を把握しましょう。

ピボットテーブルの数字部分のセルを一つ選択し、右クリック→「計算の種類」→「総計に対する比率」を選択します

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上図だけでも勤務施設ごとの経験年数の割合は何となくわかりますが、よりはっきり把握したいので、上と同様に右クリック→「計算の種類」→「行集計に対する比率」を選択すると

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今回のアンケートの回答者は地域ケアマネが7割(56%+14%)と多く、中でも居宅介護支援事業所が半数超を占めています。3年以上の経験者は概ね均等にいるが、3年未満の若手が少なめであることが分かります。

 

回答者(ケアマネージャー)の実情(居宅療養管理指導の認知)

1)勤務施設ごとの実情 

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 ※「行」フィールドに1-1)勤務施設、「列」フィールドに2-1)居宅療養管理指導について、をドラッグし「列」ラベルに「認知」と上書き

上図は人数が表示されていますが、勤務施設ごとの認知の実情(割合)も知りたいので、先ほどと同様に数値のセルを右クリック→「計算の種類」→「行集計に対する比率」を選択すると

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どの施設も「まあ知っている」が多いようですが、地域ケアマネでも②地域包括支援センターのケアマネは約4人に1人が「よく知っている」と答えた一方で、①居宅介護支援事業所のケアマネでは4人に1人が「聞いたことはある」にとどまっていることが分かります。

施設ケアマネでは、④介護老人福祉保健施設(いわゆる特養、老健)のケアマネの中に「全く知らない」という人もいることが分かります。

このように比率で表示すると特徴が見えてきます。

 

2)経験年数ごとの実情

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  ※「行」フィールドに1-2)年数、「列」フィールドに2-1)居宅療養管理指導について、をドラッグし「行」ラベルに「勤務年数」と上書き

 今度は経験年数ごとで認知の実情を見ていきましょう。
各世代で「まあ知っている」が大半であることはわかりますが、やはり比率で示した方が分かりやすそうです。

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年数が増えると「よく知っている」人が一定数存在し、6年以上になると5~6人に1人が「よく知っている」と回答しています。一方、「聞いたことがある」にとどまる人も各世代で2~3割あります。

回答者(ケアマネージャー)が居宅療養管理指導をケアプランに組み込んだ実績

では実際にケアマネージャーが作成するケアプランに、薬剤師による居宅療養管理指導を組み込んだ実績を見ていきましょう。
ケアプランは毎月作成されますので、ここでは直近1年間にケアプランに組み込んだ利用者数を回答してもらいました。

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 ※ピボットグラフを作成し、積み上げ棒グラフとしました

施設ケアマネの中でも⑤グループホームのケアマネでは作成実績が多いことが分かります。①居宅介護支援事業所のケアマネは半数以上が作成実績を持ち、9名以上の利用者に居宅療養管理指導をプランニングしている人もいます。

地域包括支援センターのケアマネで作成実績を持つのは3割にとどまりますが、直接ケアプランを作成する機会自体が少ないことが反映しているものと思われます。

 

次回は・・・

今回はケアマネの属性(所属・経験)、実情(認知理解・実績)を表とグラフで把握しました。次回はケアマネと薬剤師との関わり度合を可視化して、残薬等の課題への対処を考察します。