最近ではドラッグストアでも処方せん応需する店が増えてきましたが、調剤の在庫管理って大変だと感じていませんか?
では、どの辺が大変かを考えてみましょう。
調剤は受け身の商売と言われることがある通り、患者さんが処方せんを持って来局されてオーダーが決まります。
このオーダーですが、例えば飲食店では店側が「メニュー」を決めて、お客はそのメニューの中からオーダーすることになります。万一、仕入が上手く行かなかった日や予想外にある商品だけが売れてしまった場合は、「本日終了」「売り切れました」などが通用するのが一般的です。
しかし、調剤は薬価収載されている医薬品から医師が選んで処方し、原則その品目通りに調剤しなければなりません。また1回の処方数量も医師の判断で決まります。
薬価収載されている医薬品の品目数は注射薬を除いても、約1万6千品目ありますし、先発品だけでも約7500品目ありますので、どの医薬品を備蓄すればいいかを判断するのは難しいことが分かります。
一方のOTC医薬品ですが、とにかく売り上げにするために在庫がないことには始まりません。そのため、マーチャンダイジングなどを取り入れて品揃えや定番棚の配置を決めたり、チラシや店頭POPなどでプロモーションをかけて、売上を作ろうとします。
これらの違いをまとめてみると
調剤 | OTC |
指定された品目・数量を揃えなければならない | 品揃えは店側が決められる |
欠品していても後日お届け対応などで売上げができる | 欠品したら売上げにならないが、代替品の提案もできる |
調剤過誤による在庫差異発生のリスクがある | 万引きのリスクや、お客が一度手に取った商品が別の棚に放置されたりする |
問屋からの急配対応がある | 発注から納品まで2~3日 |
どの薬を誰がいつどれだけ処方されそうか、予測ができる | いつ、だれが、どれだけ買うかは分からない |
という感じになるでしょうか。
さて、どちらの方が在庫管理がしやすいのでしょうか?
(私は断然調剤薬の方が管理しやすいと感じています)