調剤薬局業務をExcelで快適に PharmaDataLabo

調剤薬局業務をExcelで効率化しよう

アンケートの作り方とExcel集計

秋の薬剤師会学術大会にむけて、最近よく話題になる残薬解消についてアンケートを集計し、考察を発表しようと考えているのですが、当然 Excel を上手に利用したいところです。
アンケート集計に関する手順は大きく分けて4つありますので、それぞれ見ていきましょう。

 

目次

 

アンケートを設計する

アンケートを作るには、まず「どのような考察を得たいか」をはっきりさせることが重要です。やみくもに質問をぶつけても全く意味がありません。研究室の実験・研究と同じように「仮説」を立てることが大事です。

 今回は残薬の解消について、「在宅療養の現場でケアマネージャーが感じる課題と薬剤師の介入による対策の方向性を見出す」ことをテーマにしたいので、

  1. 日常の薬剤師とケアマネージャーのかかわりの度合い
  2. 薬剤師の現場介入の度合い
  3. 薬剤師の介入による残薬解消の度合い
  4. 方向性の考察

という感じでアンケート結果をまとめます。

アンケートを作る

アンケート対象者にアンケートを記入するしてもらう際にアンケート作成者がその場に居合わせることは稀でしょう。ということは、アンケートの設問は明確に意味が分かるように文言を工夫する必要があります。回答欄についても同様です。

そのために一般的に回答欄は、「選択肢」から回答を選んでもらうようにします。

 

まず初めの設問では、回答者の属性を聞きます。
今回の回答者は全員がケアマネージャーである前提なので、
現在勤務する施設≫ と
≪業務経験年数≫ を聞くことにします。
※ここで注意したいのは「現在勤務する」といつの時点の話かを明確にすることです

 

次に、直近1年間での薬剤師との連携度合いを聞いていきます。
(ここでも、「直近1年間」と期間を明確にしておきます)
回答欄は選択肢を用意します。
例)薬剤師にサービス担当者会議への参加を依頼した回数は?
   ・0回 ・3回未満 ・3~6回未満 ・6~9回未満 ・9回以上

これらの設問を重ねることで、回答してくれるケアマネージャーと薬剤師の関係性が明確になり、関係性ごとに結果を考察するという方向性が見えてきます。

 

次に本題に入ります。
利用者(患者)の残薬に関して、どのように対処しているか?その対処の結果問題が改善されたか?という設問をいくつか用意します。またここでも回答は選択肢とします。

 

最後に、「今後薬剤師に期待すること」について選択肢+自由記述にて回答してもらいます。回答は複数選択可とします。

 

Excel で集計する

 さて、アンケートができたら実際に対象者に配布し、回答してもらい回収しますが、これらがスムーズに進むようにしっかり打ち合わせなどをしましょう。

 

アンケートを回収したら、集計業務に入りますが、回収までの間に集計用のフォームを作っておきましょう。
回答者数(n)によりますが、nが多ければ多いほど効率的に回答内容をデータテーブルに転記するためにはこのフォームづくりがアンケート集計の「肝」となります。

 

基本的なデータテーブルの構成は
・先頭行を項目行としてアンケートの設問内容を簡潔に記す
・各列(フィールド)に、設問への回答を記す
・複数回答可の設問は項目行に「選択肢1」「選択肢2」…と選択肢の数だけ追記して、フィールドへ記すのは選択の有無を表す「1」「0」を入力する
・自由記述欄のフィールドへは、そのまま記述内容を転記する
という感じにします。

 

回答内容の転記のためのテクニックとしては、

  1. Excel の《フォーム》機能を利用する
  2. Excel の《データの入力規則》の中の《リスト》機能を利用する
  3. VBA で転記用のフォームを作成する

などがありますが、
1はExcelのリボンの設定を変更する必要がある
2は予め各列に対して入力規則の設定をする必要がある
3はVBAのプログラム記述やフォームへのコントロール配置など相当ハードルが高い

 といったハードルがありますが、アンケートの回答数、転記作業を誰が行うか、アンケート回収までの日程と転記作業の日程、などを考慮します。
一番重要なのは、言うまでもなく(言っちゃいますが)「回答内容を正確に転記する」ことですので、今回のアンケートは500以上の回答数を見込んでいて、PCスキルは初心者レベルのパートさんに転記作業をお願いする予定で、転記作業まで半月くらい、という状況にあるので、回答の転記は「2」のリスト機能を利用することにします。

 

リスト機能を最大限活用する簡単な方法について、次回ご紹介したいと思います。

 

アンケート結果を考察する(詳細は次回)

 回答内容を正確に転記出来たら、考察=データ分析にかかります。

データ分析には、大道の「ピボットテーブル」を利用しますが、詳細についてはアンケートの回答転記ができるころに紹介しますね。

調剤薬局のロス率と過剰在庫率

前回は適正な在庫日数はどれくらいかを考えましたが、肝心なポイントとして廃棄リスク(デッドストック)を抑えていることがあります。また、在庫日数を抑えるためには「過剰在庫率」を抑えることが不可欠です。

ロス率は 0.1% を目標に!

まずは、廃棄ロスについて考えます。

医薬品の期限切れ、調剤時の破損や汚損、そして最近は少なくなりましたが薬価収載から除外されるための廃棄(いわゆる経過措置切れ)などで、ロスが生じてしまいます。
皆さんの薬局ではロス率を把握されていますか?ロス率は、

 ロス率 = 期間廃棄金額(薬価) ÷ 期間売上額(調剤報酬額) × 100(%)

で表します。廃棄金額は本来であれば原価で評価するべきなのでしょうが、正確な原価を反映させることはシステム上困難であることがほとんどなので、薬価ベースで統一する企業が多いと思います。

算出方法が分かったら、次は「いくらくらいならOKなの?」ということになりますよね。
これには、売り上げ規模、廃棄処理が適切に実行されているか、などの前提が必要です。私の経験上、月売り上げ500万円以上、チェーン薬局の場合、

ロス率は「0.1%」 を目標とすべきと考えています。

毎月廃棄処理すること!

 

普段少人数で運営している店舗に応援に行ったりすると、あちこちから期限切れの薬品が出てきたりすることがあります。在庫システム上はあることになっていますが、実際には調剤には使用できないデッドストックの極み(=キルストックと呼んでいます)です。

これでは正しい評価ができないばかりか、何より調剤過誤のリスクがありとても危険です。毎月きっちり期限切れの処理を実行しましょう。

普通の在庫管理システムなら、すでに期限が切れてしまっている薬品を抽出することができますので、確実に処理したいものですが、一部のメーカーのシステムでは「期限が切れそう」なものの抽出機能はあっても「期限が切れた」ものの抽出ができない、ということがあります(システム開発者の発想力が極めて乏しいことが原因)。その場合は、期限が切れる前にきっちり「今月切れるもの」を把握しておく必要があります。

在庫の流動化

 

売り上げ規模の小さな店舗は、小包装で仕入れる、商品が動かなくなったら適切に移動処理をする、など日々の在庫管理を頑張りましょう。

在庫管理システムで在庫の流動化を支援するものもありますが、細かい部分で現場運用に合わないなど仕様の問題があるようです。その場合は、ExcelVBA を操れば自前で在庫流動化をすることもできます。

在庫の流動化については、いずれ別の機会で紹介しようと思います。

過剰在庫率って何?

 

廃棄ロスを抑えるためには、いわゆるデッドストックを減らすことが不可欠です。なぜならデッドストックは「廃棄予備軍」だからです。

ところでこの「デッドストック」という言葉ですが、私は好きではありません。
薬局には dead ではなく active であっても、在庫過多という状態の品目が生じます。つまり、動きがあるかないか、ではなく、動きに対して在庫は適正か、ということを評価しなければいけないはずです。

そこで私は一般的ではありませんが、不動在庫ではなく「過剰在庫」「過剰在庫率」という言葉を使っています。

過剰在庫の定義は「直近〇か月間の使用実績を超える在庫」としています。〇ヶ月分のところは通常は3か月分、でいいでしょう。

過剰在庫(単品) =( 在庫数 - 〇ヶ月使用実績 )× 薬価

過剰在庫(全体) = 過剰在庫(単品) の合計

そして、

過剰在庫率 = 過剰在庫金額(薬価) ÷ 全在庫金額(薬価) × 100(%)

となります。つまり、在庫のうち〇か月で使い切れない品目(金額)の割合を評価します。そして、過剰在庫率の適正値(目標値)は、

売上げ500万円以上の店舗で「15%」、面応需・500万円以下で「30%」くらいでしょうか。(いずれも私の経験上ですが)

在庫の適正化には、この「過剰在庫率を低減する」ことと、「最適な発注」を両輪とする必要があります。

 

 

適正在庫日数は何日?

調剤薬局の適正在庫について、ロス率や、過剰在庫を考える前に在庫日数の適正値について考えてみましょう。

 

前回の記事で、適正在庫を評価する指標について「在庫日数」が簡便で信頼度も高いとお話ししました。そしてその初期目標は「30日を下回ること」を説明しました。

 

pharmalabo.hatenablog.com

  

では、30日を下回ったとして何日分まで絞ればいいのでしょうか?

30日を切っていれば何日でも大して変わらない

 

結論からいうと、「30日を切っていれば何日でも大して変わらない」ということになります。
ただし、期首在庫を大きく上回らないことが前提です。

同じ売り上げ規模の2店舗を考えてみましょう。A店は日常から在庫を絞っていて在庫日数は15日、B店はなんとか30日の目標をクリアしているとします。

(単位:万円) 期首在庫 当月仕入 当月使用 期末在庫 在庫日数(日)
A店 500 1,000 1,000 500 15
B店 980 1,000 1,000 980 29.4

資金繰りの面では売り上げに対しての仕入れ額で考えるとA店もB店もそれほど変わりません。
もちろん、在庫資産を早く現金化するためには在庫は少ないに越したことはありませんが、問題はB店の980万円分の在庫が常に現金化されているかどうか、つまり期限切れ廃棄などのリスク(いわゆるデッドストック)を抑えて流動化できているか、という点です。

逆に、在庫日数を15日にするために発注にどれだけの労力を費やしているか、欠品が発生して患者さんに迷惑をかけていないか、欠品対応のための労力は、などに目を向けているでしょうか。

 

世の中は「バランス」が重要だと思いますので、資金繰りのために在庫を絞ることとそのために要する労力のバランスが取れているかが、重要でしょう。

ということで、期首在庫を大きく上回らず、廃棄リスクを低減したうえなら、在庫日数は「30日を切っていれば何日でも大して変わらない」と言えるでしょう。

 

決算期と薬価改定月は在庫を絞ろう

 

ただし、決算期だけは別、と考えておいた方がいいでしょう。
決算期には資産を極力現金化しておくことが、企業の信用度に大きく影響するからです。私の経験上、決算期は会社全体(チェーン店舗の合計)の在庫日数が30日を下回るように、店舗によっては15日程度を目標とすることも必要かもしれません。

チェーン店舗が全て門前薬局である場合などは各店舗が確実に20~30日程度に絞れていれば十分でしょう。

※いたずらに在庫削減ゲームをしてはいけません!

 

薬価改定がある月も薬価引下げによる資産の目減りを抑えるために、薬価引下げ率の大きいものを中心に在庫を極力絞る必要があります。

なお、通常期は20~30日を保つことができていれば、適切に在庫管理できているといっていいと思います。

面薬局は45日を目標にしよう

 

ドラッグストアなどで医療機関の門前薬局ではない店舗も増えてきましたが、これらのチェーン薬局では経営体力もあるので在庫日数30日にこだわる必要はないでしょう。最近では、土日祝日に営業していたり、深夜まで営業していたりすると、問屋への急配依頼もできないケースもあるでしょう。
しかし、だからと言って青天井でも困りますよね。
チェーン店の強みを活かせば、過剰在庫の流動化、小包装での小分けなども十分に行えば面薬局全店で在庫日数45日を目標とすることができるでしょう。

チェーン店舗の中にも門前薬局があるでしょうから、その門前薬局が在庫削減に頑張って、会社全体で30日を下回ればいいでしょう

この場合、門前薬局は15~20日程度までの削減目標となることが多いと思います。

 

 

調剤薬局の適正在庫って?

先発品、後発品、OD錠、普通錠、一包化用バラ錠、5gチューブ、10gチューブ、経管栄養剤の複数フレーバー、などなど調剤薬局の在庫管理に悩みは尽きないですよね。。。

 

薬局も小売業ですから、最も重要な業務の一つが「発注」だと思います。
この発注業務を効率よくするために、各メーカーから在庫管理システムとか、本部システムとか言われるさまざまなシステムが販売されていますが、金額に見合うほど効率のいいものはなかなかないのではないでしょうか。

調剤薬局の在庫管理の中で、「発注」はテーマとしては避けられないのですが中身がかなり複雑なので、今回は「適正在庫」について考えてみます。

適正在庫を検討する際の指標として、皆さんの薬局ではどのようなものを用いているでしょうか。

最も簡便で信頼度が高いのは在庫日数(在庫月数)でしょう。
算出式は

在庫日数 =  月末在庫金額(薬価)  × 30(日)
 当月調剤報酬薬剤料

で表されます。(シンプルでしょ)

経営的には分子も分母も原価をベースにした方が、より正しく在庫評価をすることができそうですが、そのためにはどの問屋からいくらで仕入れた商品を何錠使ったか(何錠残っているか)などを考えないといけないため、売価(₌薬価)をベースにしておき、経営的に必要な部分では売価還元法で評価するといいと思います。
ということで、ここでは薬価ベースで在庫評価を考えます。

 

在庫日数の意味

 

この計算式で表わされるのは、月末の在庫(金額)はその薬局では何日分の売り上げに相当するか?という指標です。
薬剤料の代わりに調剤報酬全額を充てる方法もあるかと思いますが、これでは処方せん単価の低い薬局が在庫日数も低く、処方せん単価が大きければ在庫日数もより大きくなってしまうため、チェーン薬局の店舗間比較には不向きです。

 

さて、この在庫日数、いくらくらいなら適正と言えるでしょうか?
一言でいえば「経営者が決めた値」ということになりますが、普通は「まずは30日を下回ること」が目標となるでしょう。
なぜか?
それは、在庫日数が30日以上 ということは、1か月で使いきれない(売れない)商品を抱えているが、その商品に仕入れに対する支払いの期限はどんどん迫ってくる!からです。

  

 

新店オープンを想像してみて下さい。

4月1日のオープンを前に需要予測を立てて3月に商品を仕入れます。
薬価ベースで500万円分仕入れたとしましょう。
独立間もないため卸への支払いサイトは1か月だったとします。
4月の売り上げ(薬剤料分)は400万円でした。
5月頭にレセプト請求して口座への振り込みがあるのは6月20日頃の予定です。
つまり、4月末には卸から500万円の請求が届くが、その分のお金が手元に入るのは6月下旬です。しかも入金できるのは500万円のうち400万円で、その店舗は100万円の負債を抱えていることになります。(実際は薬価差益がありますので卸からの請求は8~10数%低くなることと思います)

 

卸から信用のある株式会社の薬局でも支払いサイトは3か月が一般的ですが、サイトが3か月あれば6月20日頃に入金があり請求は6月末なので、資金繰りに余裕ができます。
しかし、それでも400万円の入金に対し500万円の請求はきついですよね。。。

これが、在庫日数の目標は「まず30日を下回ること」になる理由です。

 

次回は、ロス率や過剰率などについても考えてみましょう。

 

 

 

 

 

調剤医薬品とOTC医薬品の在庫管理の違いって何?

最近ではドラッグストアでも処方せん応需する店が増えてきましたが、調剤の在庫管理って大変だと感じていませんか?

 

では、どの辺が大変かを考えてみましょう。

調剤は受け身の商売と言われることがある通り、患者さんが処方せんを持って来局されてオーダーが決まります。
このオーダーですが、例えば飲食店では店側が「メニュー」を決めて、お客はそのメニューの中からオーダーすることになります。万一、仕入が上手く行かなかった日や予想外にある商品だけが売れてしまった場合は、「本日終了」「売り切れました」などが通用するのが一般的です。

しかし、調剤は薬価収載されている医薬品から医師が選んで処方し、原則その品目通りに調剤しなければなりません。また1回の処方数量も医師の判断で決まります。
薬価収載されている医薬品の品目数は注射薬を除いても、約1万6千品目ありますし、先発品だけでも約7500品目ありますので、どの医薬品を備蓄すればいいかを判断するのは難しいことが分かります。

一方のOTC医薬品ですが、とにかく売り上げにするために在庫がないことには始まりません。そのため、マーチャンダイジングなどを取り入れて品揃えや定番棚の配置を決めたり、チラシや店頭POPなどでプロモーションをかけて、売上を作ろうとします。

 

これらの違いをまとめてみると

調剤 OTC
指定された品目・数量を揃えなければならない 品揃えは店側が決められる
欠品していても後日お届け対応などで売上げができる 欠品したら売上げにならないが、代替品の提案もできる
調剤過誤による在庫差異発生のリスクがある 万引きのリスクや、お客が一度手に取った商品が別の棚に放置されたりする
問屋からの急配対応がある 発注から納品まで2~3日
どの薬を誰がいつどれだけ処方されそうか、予測ができる いつ、だれが、どれだけ買うかは分からない

という感じになるでしょうか。

 

さて、どちらの方が在庫管理がしやすいのでしょうか?
(私は断然調剤薬の方が管理しやすいと感じています) 

 

登録販売者試験 勉強するなら1・4・5章から!!

pharmalabo-touhan.hatenablog.com

登録販売者試験の対策は何をどこからどれだけやればいいのか、それさえ分かればとっても効率良く勉強できますよね。

 

医薬品登録販売者 なので、受験者はやっぱり医薬品や病態、体の働きなどに力が入るものです。でも、それだけでは合格できないのです‼︎

 

合格者と不合格者の章別得点数について下記のデータがあります。 

  第1章 第2章 第3章 第4章 第5章 合計
合格 19.20 16.61 28.28 15.73 16.09 95.90
不合格 17.32 12.11 19.09 11.71 11.95 72.18

さらに不合格者の総得点別の章別得点数が

得点数 第1章 第2章 第3章 第4章 第5章 合計
72-83 18.02 13.17 20.99 13.09 13.16 78.44
60-71 16.68 11.19 17.60 10.04 10.60 66.11
48-59 15.29 9.00 12.76 8.47 8.88 54.41
36-47 13.00 4.00 10.00 10.00 9.00 46.00

そしてさらに、合格者の各章の最低得点を見ると

得点数 第1章 第2章 第3章 第4章 第5章
108-119 18 18 33 15 17
96-107 16 13 23 13 13
84-95 16 9 17 10 10

そうです!
2・3章は7割獲れなくても、4割ほどしか得点できなくても合格できるんです!!

 

次に出題範囲について考えましょう。厚労省から出されている「問題作成の手引き」の中から出題されるのですが、各章のページ数と試験での出題数を表にしてみます。

  出題数 ページ数 1問当たりページ数
第1章 20 19 0.95
第2章 20 37 1.85
第3章 40 148 3.70
第4章 20 43 2.15
第5章 20 22 1.10

 

内容については、

1章:常識的な内容で理解しやすい

2章:体の仕組みと薬の働きなどでイメージしやすい

3章:医薬品販売に必要な知識で、範囲はかなり広いですが実際の商品をイメージしながら勉強できるし、合格した後に必要な知識で勉強した分だけ役に立つ

4・5章:この試験を受けようとするまでは、ほとんど関わりのなかった分野で、かつ医薬品販売の現場でもそれほど必要とされないため、モチベーションを上げにくい

 

問題範囲からも分かりますが、この1・5章を後回しにするのは、勿体無さすぎるのです。また、2章よりも4章の方が取り掛かりにくいのであえて先にやる方がいいでしょう。

合格には120問中7割(84点)が必要ですが、目標として1章:19-20点、4・5章:各16-20点、獲れれば51-60点。2・3章は半分(30点)程度の正解で、合格点に達します。
(2章でも問題の傾向を押さえれば6割以上は十分狙えます)

 

普段縁遠い分野だからこそ早めに取り組みキッチリこなせば、キッチリ得点に繋げられる4・5章から勉強した方が良いのです。

(1章は獲れて当たり前、落すようじゃ合格は無理と思って下さい)

 

今年受験される皆さん、頑張って下さい。

 

 詳細はこちらから ↓

pharmalabo-touhan.hatenablog.com

 

 

医薬品登録販売者 試験対策

早いもので今年も3分の1が終わり、例年通りなら8月から始まる登録販売者試験まであと3-6ヶ月となりました。

 

2年前から実務経験に関係なく受験できるようになりましたが、受験を予定している人はどれだけ勉強すれば大丈夫なのか、とても気になりますよね。実はこの試験対策もExcelでできちゃうんです。
ただし、しっかりデータベース化するためにはVBA(マクロ)を使わないと相当大変な作業になりますので、VBAを操れない方は所属企業のExcel上級者に相談して下さい。

ここでは、データベース化するまでの大まかな手順を紹介します。

 

試験問題の入手

 

道府県のホームページで登録販売者試験に関するページを見つける
過去の試験問題と正解が掲載されたページを見つけ、PDFファイルを開き、問題に関わる部分を選択コピーする(東京都はPDFファイルが保護されていてコピーできません)
Excelに貼り付ける

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Excelで体裁を整える

 

貼り付けると上図のようにA列に羅列されますが、このままではどこが問題でどこが選択肢になっているか、まるで使えない状態です。そのためVBAで問題文と解答選択欄に仕分けして表示します。(私が使っているコードでは試験1回分が2秒で処理出来ます)

次に、セル内の改行のうち不要なものを除去したり、解答選択欄の体裁を整える(スペースの挿入など)ため各セルの内容を編集します。
添付文書に記載されるマークは貼り付けられないので、「相談マーク」「!マーク」「×マーク」などと入力し体裁を整える

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出題内容を分類する

 

テキスト(厚労省の『問題作成の手引き』)に沿って、章、主題、副題などを当てはめる。複数の副題にまたがる出題もあるのでその場合は問題に趣旨に近い方の主題を選択したり、あえて空欄にしたりします。必要に応じてキーワードを登録するのもいいでしょう。
正解を付記するのも忘れないようにしましょう。

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この時、同じ分類にする場合文言が少しでも違っていると後で手間が増えるので、Excelのリスト入力機能を利用するといいでしょう(Alt+ ↓ で入力候補がリスト表示される)(※)

問題文を分類する

 

VBAを利用し各問題を問題「文」単位に分解し、テキスト(厚労省の『問題作成の手引き』)を見ながら出題元になっている箇所を特定してデータベース化

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この時もリスト入力機能を利用するといいでしょう。(※)

(※)…予め「章」「主題」「副題1」のリストを作成しておき、数式タブの「名前の管理」で範囲に名前を付けて数式管理すれば、データ入力規則からリストを登録することができます。選択した「章」に応じて主題のリストを表示し、選択した「主題」に対して副題のリストを表示されます。
別の機会にExcel Tipsのコーナーで紹介しますね。

ピボットテーブルを利用して出題傾向をリスト化する

 

出題分類データベースと問題文データベースをそれぞれピボットテーブルを使ってリスト化するとともに、数回分の過去問でデータベースを作れば出題傾向と回数が一目瞭然にすることができますよ!!

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実際の試験対策は別のブログで紹介予定です。(ただいま準備中)

対策講座ブログ解説しました。

 

こちらもご覧ください

pharmalabo.hatenablog.com

 

 

 

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Excel Tips チョコっと小技①入力系

このシリーズはアイスブレイク的に私が普段よく使うExcelの小技を不定期に紹介していきます。

 

目次 

パソコンの基本的な操作を含めて、Excelの操作に不慣れな人がやりがちな「遠回り」な操作をちょっとの知識で断然楽にできますよ。

 

セルの内容を上書きしたい

すでに値(文字列や関数)が入力されているセルの値を変更したい場合、そのセルをクリックして、さらに数式バーをクリックして、「Backspace」を連打して中身を空にして、ようやく上書きしたい内容を入力する、という手順の人が皆さんの周りにもいませんか?
意外ですが、私も赴任する薬局で必ず見かけます。先輩から後輩に引き継がれているケースもあるようですね。もっとシンプルでいいです。

やり方:上書きしたいセルを選択して、そのまま上書きしたい内容を入力するだけ!

複数のセルに同じ内容を入力

 同じシート内でいくつかのセルに同じ値を入力したい場面が時々ありますね。この場合、一つ目のセルを入力して、次のセルを選択(クリック)して値を入力して、三つ目のセルを…というようにしていませんか?

やり方①:入力したいセルをCtrlキーを押したまま順にクリックしてすべて選択してから、値を入力し、通常ならEnterキーを押して確定するところを、Ctrl+Enterで確定します。すると選択した全てのセルに同じ値が入力されます。(書式などは入力前のまま)

やり方②:あるセルの書式設定を他のセルに反映させたい場合は、そのセルに値を入力後に改めてそのセルを選択し、コピー(右クリック→コピーまたはCtrl+C)して、貼り付けたいセルをCtrlキーを押しながら選択して貼り付け(右クリック→貼り付け またはCtrl+V)ます。

連続するセルを選択

 いくつかの連続する(つながっている)セルを選択したい場合や、数十行~数百行のような大きな表の端から端までを選択したい場合でやり方を変えましょう。

やり方①(いくつかの連続するセルの場合):一つ目のセルを選択した後、Shiftキーを押しながらドラッグして目的のセルを選択します

やり方②(大きな表の場合):一つ目のセルを選択したら、スクロールバーを操作したりして選択したい「最後」のセルを画面内に見えるようにして、Shiftキーを押しながらその最後のセルを選択(クリック)します

状況に応じて、①②を適宜使い分けることができるとさらに効率化できます。

表の一番端のセルに移動

表を途中までスクロールしていて、最初の方に戻りたい場面や、一番下の集計行に飛びたい時などがあるでしょう。この時、スクロールバーをマウスで操作したり、マウスのホイールをクルクルクルクルしたりしてませんか?
こんな時は、表のある1行または1列全てに値(文字列、関数など)が入力されている前提で、一発で移動できるんですよ。

やり方①:1行または1列全てに値が入力されているセルを選択し、Ctrl+矢印キー(移動したい方向に↑、←、↓、→)を押す

やり方②:1行または1列全てに値が入力されているセルを選択し、そのセルの4辺にマウスを合わせるとカーソルが✛(十字の矢印)に変わった時にダブルクリックする

セル内で改行する

 文字列を入力していて改行表示したい場面では、まずセルの書式設定をホームタブ→配置の「折り返して全体を表示する」設定にしますが、1行目の文字を入力したらspaceキーを長押しして次の文字が2行目に表示されるようにspaceの数を調整していませんか?それでは、印刷する際にはほとんどの場合ずれてしまいますし、セルの幅を変えたい場合spaceの数を再調整しなくてはなりません。でも、これも知っていればなんてことはないのです。

やり方:1行目の文字を入力したら、Alt+Enterを押せばカーソルが2行目に! 

すぐ上または左のセルの内容をコピー

 セルをコピーする方法はいくつもありますよね。

コピー&ペースト:右クリック→コピー&貼り付け、や、Ctrl+C & Ctrl+V
フィルダウン:元のセルを選択し、フィルハンドル(右下に表示される小さい■)をドラッグする
この二つはよく知られていると思いますが、知っていると意外に便利な技があります。

やり方:同じ内容を入力したいセルを選択した状態で、Ctrl+D(すぐ上のセルと同じにしたい場合)、Ctrl+R(すぐ左のセルと同じにしたい場合)でコピーできます。

これは、連続する複数のセルにも同様に使えるので場面によってはかなり便利です。
※Dはdown(下方向にコピーする)、Rはright(右方向にコピーする)と覚えましょう。残念ながらCtrl+U (Up) やCtrl+L (Left) はありません。

第1回 薬局業務日誌のデータ化~其の十・完~

薬局業務日誌のデータ化の最終回、⑧業務日誌として印刷しよう、です。

 

これまで、業務日誌をデータ化し、印刷するために必要なデータを整えてきました。これらを1週間単位で印刷するためのシートを作成して、印刷手順を理解すれば完成です。

 f:id:ashomopapa:20170422184958p:plain

上の図のように「日誌」シートのF2セル~J17セルで表を作成します。

ポイントは1日につき2行使用し、医薬品分譲の記録欄はG~J列でセルを結合します。

また、日付・営業時間の欄も1・2行目でセルを結合します。

表を効率よく作成するために、2・3行目、4・5行目~16・17行目と2行ずつ同じ構成にしてあります。また、表の体裁を整えるためにはいくつかのやり方がありますが、

1)2・3行目でセルの結合などをして、F2セル~J3セルを選択してフィルハンドルをつかんで14行分(2行x7日分)コピーし、その後行の高さを調子する

2)4・5行目で行の高さを含めて体裁を整えてから、4・5行目全体を選択しコピーし、A6セルで貼り付け、A8セルで貼り付け、~A16セルで貼り付けとすると、行の高さを含めてコピーされます

※表全体を選択し、「ホーム」タブの配置→「折り返して全体を表示する」をオンにしておきます。また表のフォントの大きさは10ポイントくらいでいいでしょう。

 

そして、このシートの「肝」はスピンボタンを配置して、印刷対象の日付をコントロールすることです。

スピンボタンはリボンの「開発」タブの挿入→フォームコントロールの中のスピンボタンを選択し、L2セルあたりに配置します。

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スピンボタンを配置したら右クリックし、「コントロールの書式設定」を選択、表示されたウインドウのコントロールタブで以下のように設定します。

  • 変化の増分…7(または14)
  • リンクするセル…L5(マウスでL5セルを選択すると$L$5と表示される)
  • 最小値と最大値は既定のままでOK
  • 3‐D表示…見やすくするためにチェックを入れておきましょう

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 変化の増分はスピンボタンを1回押したときにL5セルの値がいくつずつ増える(減る)かを決める値となります。「14」とするのは、ある期間の日誌をまとめて印刷したい場合、プリンタに用紙をセットしてどんどん印刷したいところですが、用紙の片面に1週間飛ばしで印刷し、あとで裏面にも1週間飛ばしでまとめて印刷するとラクちんなためです。普段は「7」としておき、1週間ごと印刷するといいでしょう。

L4セル…印刷したい日付を入力するためのセル(手入力)

M4セル…「の週から」の文字を入力

L5セル…L4に入力したの日付から〇日経過した週を表示させるか(スピンボタンと連動)

M5セル…「日後」の文字を入力

※L5セルは手入力も可能なので、M4に日付を入力してL5セルに「0」を入力するとその週が印刷できるようになります

L2セル…「=WEEKDAY(L4,1)」と数式を入力(L4セルの日付の曜日を判定)

C列に表示すべき日付を表すセルを用意、D列で第〇週かを判定、E列は曜日(固定)を表示します。

C4セル… =L4-L2+1+L5 (←必ず日曜日になるように補正するため)

C6セル… =C4+1

C8セル… =C6+1、、、C16セルまで同様に数式を入力

D4セル… ="第"&ROUNDUP(DAY(C4)/7,0)、、、D16セルまで同様に入力

 

さてここまでは、印刷する1週間の日付をどのようにコントロールするか、でした。つぎは、印刷する内容をどのように参照するかになります。

 

F4(結合)セル… =TEXT(C4,"yyyy/m/d (aaa)")&CHAR(10)&VLOOKUP(C4,一覧!A:C,3,0)

 ※日付と曜日、営業時間を表示する

G4セル… =VLOOKUP($C4,一覧!A:L,8,0)&" 枚"

H4セル… =VLOOKUP(C4,一覧!A:M,9,0)&" 件"&CHAR(10)&VLOOKUP(C4,一覧!A:M,10,0)

I4セル… =VLOOKUP(C4,一覧!A:M,13,0)

G5(結合)セル… =IFERROR(VLOOKUP(C4,分譲・店間移動!Z:AB,3,0),"")

 ※G5,7,9…の結合セルのフォントの大きさは「8」ポイント、行の高さは170ピクセル程度にします

月~土までの行にも同様に入力するところですが、面倒くさいのでF4~J5を選択し、コピペしていきます。

ここで試しに、L4セルに日付を入力し、スピンボタンを1回、2回と押してみると日付と印刷内容が変わっていくのが確認できるでしょう。

 

これで、業務日誌がデータで管理でき、かつ紙媒体に記録もできるようになりました。あと一息、保健所のいちゃもんに対応すべく、毎日印刷にも対応しましょう。

 

1日ずつ(毎日!)印刷することもできるようにするためには、チェックボックスコントロールをA4、A6、~A16セルに計7個設置して先ほどのスピンボタンと同様にリンクするセルをB6、B8、~B16セルとします。チェックが入れば対応するB列のセルに「TRUE」が、チェックなしの状態では「FALSE」の値が入ります。

この値を利用して条件付き書式で枠線(罫線)を非表示にしたり、文字を非表示にしたりという設定をします。設定は4つ。

対象セル 条件 書式
月~土の各1行目を選択 =$B6=FALSE 文字を白くする(非表示)
月~土の各2行目を選択 =$B6=FALSE 文字を白くする(非表示)
F2~J5(タイトル行と日曜日の行) =$B$4=FALSE 文字を白くする(非表示)
F2~J17(表全体) =$B$4=FALSE 罫線を非表示にする

 上記のように条件付き書式を設定すれば、日曜日を印刷する際には日曜日だけチェックを入れれば表の項目名や罫線も印刷され、翌日は月曜日のみにチェックを入れると月曜日の印刷内容だけが表示されますので、前日印刷した用紙をプリンタにセットすれば月曜日の分だけ追加されます。同様にして、印刷したい曜日のみチェックを入れれば毎日印刷ができるようになります。

 

あとは印刷範囲の設定と、シートの最適化です。

F2~J17セルを選択して、リボンの「ページレイアウト」タブのページ設定→印刷範囲→印刷範囲の設定をクリックすると、F2~J17の範囲のみが印刷対象となります。

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シートの見栄えをよくするために作業列を非表示にしましょう。B~E列全体を選択して右クリック→非表示を選択します。

ここまで来たら、印刷プレビュー画面で上下左右の余白の調整や、セルの幅、行の高さなどの調整をして何度かテスト印刷をして、いい塩梅に仕上げます。(表裏に印刷するので両側にパンチ穴が来るつもりで左右の余白をとってください)

 

最後に、印刷した用紙を確認し、管理を担当した薬剤師が押印して、パンチ穴をあけてファイルに綴じれていけば、簡単に業務日誌の作成管理の仕組みが出来上がります。

 

 

ここまで、お付き合いいただきありがとうございます。初めてのブログでしたが、なんとかここまでたどり着きました。

これからも、Excelの活用方法をお伝えしていけたらと思っていますので、よろしくお願いします。

また、こんなことを記事にして欲しいなどのリクエストがあればぜひコメントでお知らせいただけると、励みになります。これからもどうぞよろしくお願いします。